実力検査
「さて、お前たちは今からゴーレムと戦ってもらう。この演習場は特殊な結界が張ってあるし、ゴーレムも殺すような攻撃はしない。安心して力を出し切れ!」
演習場にある刀を取りに行こうとすると声をかけられる
「天満君は刀を使うの?」
「そうだけど何?」
「僕は梶 創太。スキルが刀生成で触れた物を刀に出来るんだ」
「おぉー!凄いじゃないか!」
「って言ってもランクが低いからまだ作れる物が限られてるんだ。」
「そうか。どんな物が作れるの?」
「昨日、刀を使う人がいたら使ってもらおうと思って自信作を持ってきたよ!」
「どれどれ、おぉぉ!見事な緑と白のコントラスト!」
・・・
・・・
「ネギじゃん」
「ネギだね。やっぱりダメか。こっちはどうかな?」
「なんだ。本命があるなら早く出せよ。お!こっちは茶色で雰囲気があるな!」
・・・
・・・
「ごぼうじゃん」
「ごぼうだね」
「野菜しかないのかよ」
「まだ野菜程度しか刀に出来ないんだよ」
「まぁランク低いし仕方ないな。でも面白いな!ちょっと気にいったわ」
「ほんと!そんな事言われたの初めてだよ!良かったらこれからも仲良くしてくれないかな?」
「こちらこそだ」
新しい友達とそんなやり取りをしている中、ラムダの番になった
「次!ラムダ エスコーダ」
「はい」
「では始めろ!」
ラムダは少し距離をとりゴーレムの足下へ手をかざす
するとゴーレムの体がほんの少し沈み体勢を崩しそうになる
「今だ!ストーンバレット!」
そう言い放つと拳の半分程の石が次々ゴーレムに向かってラムダの手から放たれる
「おい、創太」
「あぁ、天満君」
「「ただの投石だな」」
「そこの2人!ただの投石とか言うな!これでも僕のスキルの硬化を付与してるんだからっ!」
「「あっ」」
ドコッドコドコドコ
余所見をした間にゴーレムに距離を詰められタコ殴りにされラムダは気絶した
現実は厳しいのである
「次はリザ エリー」
「はーい」
「よし、始め!」
合図と共にリザの身体からバチバチと音が聞こえる
音がしなくなるとリザの身体はうっすらとオーラを纏っていた
「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
いきなり雄叫びをあげリザはゴーレムに突っ込んでいく
「速い!凄いスピードだ!」
「でも天満君、あれは・・・」
ゴーレムは突っ込んでくるリザをヒョイとかわす
ガンッ
「「うわー、壁にめり込んだ」」
2人の反応をよそにリザは何事もなかったかのようにゴーレムへと向き突っ込んでいく
バチンッ
「速くても直線的だとな」
「まぁこうなるわな」
ゴーレムに叩かれ見事に地面にめり込みリザは気を失った
「そこまで」
終了の合図と共にリザの元へ行く
「おーいリザ!大丈夫か?」
「う、うーん。翔ー私負けたー?」
「それはもう見事に負けたよ」
「そっかー。私のスキルはー獣化なんだけどー正気うしなっちゃうんだよー」
「なるほどな。道理で直線的だと思った」
「でもオーラ纏うのカッコいいし凄い速さだった。正気を保てれば無茶苦茶強いよな」
「うーん。がんばるー。」
「後ー翔ー・・・どさくさ紛れにーモフらないでー」
「チッ、バレたか」