旅行当日
旅行の当日になり5人は朝早く集合する
「忘れ物ない?みんな大丈夫?」
「翔ー立ったまま寝ないでー」
「後5時間15分寝かせて」
「向こうに着いてまうわ」
「とりあえず天満君は置いといて重い荷物はポーチに入れてしまおう」
「そうだね。そしたら僕は馬車のチケットを購入してくるよ」
「お願いー」
ラムダはチケットを無事に購入でき後は馬車に乗り込むだけとなった
「ワクワクしてくるな!」
「さっきまで寝ぼけてたのに」
「ちゃんと起きてたぞ!立ってただろ?」
「天満君の起きてるの概念がおかしい」
「創太は全部おかしいぞ」
「存在否定!?」
いつものようにふざけ合い馬車に乗り込むと数名が座っており5人は迷惑にならないように座り静かにしていた
「出発致します。途中一回の休憩を挟んだ約4時間の旅となります。どうぞよろしくお願いします」
馬の歩く音が聞こえ、次に車輪の回る音が聞こえてくる
そして次に聞こえてきたのは
すぴー
翔の寝息だった
他の4人は小声で話をする
「わかってたけどもう寝てるね」
「翔のー睡眠はースキルだと思うー」
「あはは。ほんまやな」
1時間ほど時間が過ぎた時に翔は目を覚まし馬車の前方を見渡す
「おや、貴方はお気付きになられたようですね」
御者が翔に話しかけてくる
「はい。この感じはゴブリンですかね?どうするんですか?」
「私が倒しますが少々数が多いですね。お手伝いお願いできますか?」
「了解しました。屋根に乗っても構わないですか?」
「結構ですよ」
そう、翔はゴブリンの気配を察知し目を覚ましたのだった
屋根の上にタタッと登り弓を準備する翔に他の4人が話しかける
「翔ー魔物ー?」
「僕たちも戦うよ」
「御者さんが出るみたいだから手伝ってあげてくれ」
「「「「了解」」」」
20匹ほどのゴブリンの群れが見え馬車が止まる
「お客様、ゴブリンの群れが居ますので少しお待ち下さい。殲滅しますのでご安心を」
この言葉を皮切りに御者と4人はゴブリンに向かって駆ける
その間に翔は矢を放ち1匹ずつ排除する
シュッ
バスッ
「ギィギャギャギャ!」
ゴブリンは矢の飛来に混乱する
バスッ
バスッ
3体を倒したところで御者とリザが到着したので翔も弓をしまい疾走を使い駆ける
御者は2本のナイフを持ち踊るようにゴブリンを切り刻んでいきリザはスピードを乗せた拳で撃ち抜いていく
近江と創太は撹乱に動きラムダは混乱するゴブリンを剣で倒す
そうする間に翔も追いつき残りのゴブリンを次々斬っていく
6人はあっという間にゴブリンを殲滅した
「御者さん強いな」
「貴方こそなかなかに強いですね」
御者さんと話しながら馬車に戻ると拍手をされ
「御者さんすげーな!」
「あなたたちも凄かったわよ」
絶賛で迎えられ5人は少し照れたが御者は
「この子たちのおかげでゴブリンは殲滅致しました!引き続き快適な旅をお楽しみ下さい」
5人の功績のようにサラッと持ち上げ業務に戻っていった
それを目で追いながら馬車に乗り込み座ると先程までは静かだった車内が嘘だったかのように賑やかになっている
もちろん話題は5人の事なので質問攻めに合うことになる
それをいち早く察知した翔は狸寝入りをしラムダが対応する
「君たちは中央学園の生徒だろ?」
「そうですよ。学園の1年です」
「なっ!あんなに強いのに1年生なのか!」
「ありがとうございます。でも僕たちはまだまだです。さっきも御者さんがほとんど倒しましたからね」
「あなた達のような5人組の話を何処かで聞いたような気がするんだけど」
「クランじゃないですかね。僕たち満天の織空ってクランを作って依頼を受けているので」
「そうそう!満天の織空って素敵な名前のクランに親切にしてもらったって話をよく聞いていたのよ!あなた達だったのね」
「そうなんですね!嬉しい限りです!ありがとうございます」
「君もっふもふだね!触ってもいいかい?」
「ダメだ。そのもふもふは俺のだ。すぴー」
「翔、寝たフリやめなよ」
「俺は爆睡しているすぴー」
「まったく。しょうがないリーダーだよ」
「「「あははは、君たち面白いね」」」
「ほんと、すみません」
こうして和やかなムードの中、休憩する予定の街に着いたのだった