俺が忘れ物するのはお約束だものね
「一足お先にメリークリスマス!」
岩彰ゆすらが健康処楓にプレゼントをもってやってきた。
「おじさまとおばさまには、本当にお世話になりまして、これは些少ではございますが…」
「これはこれはご丁寧に」
「でもいいの?」
「構いません」
ゆすらは、痩せたことと多少健康になったこともあり、お金に余裕ができたらしい。
「こんなにも世界は快適だったんですね」
(河合と、最近は笑い話しているぐらいだったもんな)
ここには花信風夫妻の一人息子の青葉もいた。
先日、ゆすらが自分の生まれ育った環境をブラックジョークにしていたものであり、それをそういう話ができる青葉の同級生、河合と話していたのである。
「ちゃんゆす!」
「どうした、どうした」
「お母さんがね、ちゃんゆすが俺の忘れ物に気づいて連絡してくれたことにたいして、ありがとうっていっておいてって」
「いいよ、いいよ、また忘れたら連絡するよ」
「俺が忘れ物するのお約束だものね」
「そうそう、いいお母さんは大事にするんだよ」
「ちゃんゆすの家はそうじゃないの?」
「うちの家族はろくでなしだから」
「ろくでなしか、それは困るね」
「そうなの、そのぐらいのろくでなしなの」
の後に、何故かロクデナシ~と二人で楽しそうにハモっていた。
「お茶でもいれるよ、飲んでいくでしょ?」
「ええ」
そういって青葉が席をはずすと。
「岩彰さんも、この間まで絡み付いていたものがあったんだけどもね、邪魔だなって思っておじさん、ベリベリって剥がしちゃったんだよね、あれ伯母さんからなんだけども、あれから伯母さんの身に何か起きたとか聞いているかい?」
「えっ?」
いえ、特にはの後、ゆすらは、もう一回「えっ?」といった。




