それが許されるのはブリぐらいだよ
「お父さん、明日表彰式にいってくるから」
「行ってらっしゃい」
前日の父子のやりとり、そして次の日の朝。
「オヤジ、何その格好」
「決まってるでしょ?」
「目に優しくない色だよ」
「いい照りはしてるよ」
「それが許されるのはブリぐらいだよ」
「花信風さん迎えに来たよ」
「朝会長おはようございます」
「今日の花信風さん、なんかいいね、昼食はブリとか食べたくなる」
その誉められ方で、花信風はいつもの服装に着替えたのである。
全国的に運動不足、生活習慣などによって、生活改善を叫ばれているなか、ある地域だけ逆行するような結果が出ているのを発見された。
みなさんはダイエットをしたことがあるだろうか?ダイエットはチャレンジし、成功をつかむものは約一割とされている、そしてキープともなればもっと少ないのであった。
「その一割を当たり前のように出してくるから、なんでかなってお役所の偉い人たちが見に来てね、健康体操に大勢の人たちが集まっているのに驚いていたんだよね」
そしてこれはすごいと、長年の貢献とこれからもよろしくお願いしますということで、今回の表彰となるのだが。
「取材もされるらしいから」
「取材もなんですか?」
それは花信風は聞いてなかったらしい。
「いつものように話せば大丈夫さ」
表彰のために役所に行くと、思ったよりも取材の人たちが来ていた、中には大手で仕事をもらっている人もいて。
結構いいお金で依頼が入りましたが、なんでこの依頼が来たのかがいまいちわかってはいなかった。
「それではインタビューをお願いしたいのですが」
「わかりました」
「まずは皆様に今日の表彰式についてお言葉を!」
「私は皆様の健康に力を貸しているだけなので、本当にすごいのはみなさんです、これからも私は…」
そう答えていると、その場にいる何人かが、腕を組んで、うんうんと頷いているのを見て。
(さすがは教祖)
朝会長は大ウケした。




