あれは本当にショック
「あれは本当に凄かったな、ああ、青葉くんお邪魔してるよ」
「こんにちは」
お客さんは近所の人である。
「あの人を見ると、思い出すことがあって」
「なんだよ」
手伝いに来てる同級生にその話を始めた。
「長期休みになると、朝から健康体操って催しものがあるんだけども、さっきの人はいつもそこを仕切っている人なんだよ」
関係としては、青葉の母とさっきのご近所さんの娘さんが親しいこともある。
「うちは自営業じゃん?だからこういう体操をしているんだけども、手伝ってくれないだろうか?って話が来たわけだよ」
「いいですよ」
父である花信風幸洋は快く快諾したのだが。
「何かあったのか?」
「ちょっとね」
「えっ?先生が健康体操に?」
「その健康体操は…ok違うところに住んでいる人も参加可能だってさ」
「ああそれじゃあ」
その日の朝、とんでもない数の人間が集まってしまった。
「それじゃあ、体操を始めるよ」
そうして集まった人間は指示通りにおとなしく体操を始めるので。
「花信風さん」
「なんでしょ?」
「君、教祖になれるよ!」
「えっ?」
「あれは本当にショックで」
「いや~でもさ、いつもは参加者が少ないし、やる気がないところを、ものすごい気合いが入った人たちが集まってきたらさ、なんだなんだって思うじゃない?それがみんなおとなしいし、物静かだし、あぁ、これがカリスマなのかってわかったね」
「私はそんなんじゃないですよ、ただみんなの健康を思っただけです」
「さっきだってすごかったじゃない、利き腕の二の腕と肩甲骨の間に、クリームを塗ってさ」
はい、先生、見つけちゃったよ。ここにね、老廃物が!というと、見つけられた方は痛みで笑顔になっていた。
「実際にああいう現場を見ちゃうと、ああこれが花信風の手なんだって、技をかけられ、痛いはずなのに、みんな満足して帰っていくもんね」
「ちょっとずつ通ってくれれば痛いとか衝撃はいらないんですよね、でもなんでかみんなここである程度以上は戻さないとダメなときに駆け込んじゃう」
「それが人間というもんなんじゃないか?」
「それもそうですね」
「あっ、それで次の健康体操なんだけども、ライブ配信もした方がいいんじゃないかって」
「でもそれだともっと広い会場抑えた方が」
(そうなんだよな、先生は否定はするけども、こういうのを見ると、やはり花信風幸洋は教祖だよな)
幸洋先生が担当日のみ、参加者が事前予約だけでおかしな数になるための打ち合わせが必要になっているという。




