健康だったら今の私から逃げれるはずだ
「痩せるにはどうしたらいいって…そうだな、うちの親父に追いかけられら、痩せることになるんじゃないか?」
冗談でしょ?
そうは思われるかもしれないが、花信風青葉からすると、本気というか、諦めというか。
一キロ、人はその体重を落とすのも大変である、体についたその脂肪を消費するにはカロリーとして…いや、これについては教科書などを見てほしい。
健康処楓にいたってはだ、見るべき場所が違う。
楓にやって来たお客さん、おや、何故か、緊張してようである。
どこか体に不調を抱えているので、先生に怒られてしまうのではないか?とか思っているのかな?
そのまま待合室で座って呼ばれるのを待っている、まだかなって顔をあげた瞬間、音もなく花信風幸洋が立っていたではないか。
目があった瞬間、にたぁと笑った。
その瞬間、お客さんは凍りついた。
「ひぃ」
そんな声が自然と漏れ、距離を取ろうとしたとき。
「いけないな、これはいけないな」
先生方から近づいてくる。
「全身に疲れが溜まってしまっている、これはよろしくない、健康だったら今の私から逃げれるはずだしね」
意思はそうでなくでも、体の方は疲れを感じてしまってる、本能で先生から逃げないのである。
「まずは重力から解放されよう、お風呂にも浸からずシャワーだけのせいで、両肩に重りがのっているようなものだからね」
ベットは体圧を分散させるものを用意しています。
「ほら、君は自由だ、大の字に寝てもいい」
「あっ…」
「わかるだろう、解放、もう疲れに我慢することはないんだからね、さぁ、後はおとなしく揉まれたまえ」
「はい…」
「水を飲みなさい、これから君は疲れとバイバイすることになる、バイバイしようね」
「バイバイ」
「そう、今まで一緒にいた疲れとバイバイの時間がやって来たんだよ!最後に言いたいことは?」
「お前のせいでいつも休みが台無しなんだ、二度と疲れがたまらない体になってやるんだからな!」
自分では抜けない疲労を、幸洋の力で大部分を除去された。
「またちょっと残っているから、一日は水を多目に、帰りにペットボトルの水二リットル、あれ一本買ってくといいね」
「わかりました、でもこういうときって、うちで水を買いなさいとかいうんじゃないんですか?」
「うちをなんだと思っているんだい?みんなの健康を応援するためにあるんだよ、水道水でもいいんだけども、どのぐらい飲んだか目で見えるために、スーパーとかで最安値でいいから買ってもらってるけどもさ」
幸洋としてはそう見られるのは不満のようだが。
「小学生の時、青葉くんの家は何か、こう神様でも奉ってるの?って、控えめに聞かれたことがあるから、勘違いされるようなことをしている親父が悪い」
「そう、あれはな」
父は否定はするが、息子とその時を知る同級生であり父の弟子は懐かしの実話をここで出してきた。




