活きのいい不健康~健康処楓~
はてなブログにも健康処楓は載せていきますぞ。
https://kuwasinpu.hatenablog.com/entry/2020/11/03/152627
「ちゃんと花信風(kuwasinpu)で取れました」
「あっ、もしもし、黄藤というものだけども、幸洋くんはいるかい?」
「お世話になっております、ただいま先生に代わります…先生、黄藤先生からのお電話です」
虎児がそう言ったとき、幸洋は体を揺すぶり、電話を取るだけなのに緊張感が漂った。
「はい、代わりました…なんですって!」
あまり声を荒立てる事がない幸洋が、そんな声を上げる、一体何があったのだろうか。
弟子の虎児も、息子の青葉も思わず、注目してしまう。
「青葉、虎児くん、土曜暇?」
「えっ、暇ですけど」
「何があったの?」
「活きのいい不健康が黄藤先生のところに来たんで、どうか?って」
「どうか?って」
「新鮮なのか、そうじゃないのかわからないですね」
「優くん(黄藤先生の息子)も来るそうだから、私と黄藤先生二人がかりでやらないと、ふっふっ、楽しみだな」
そして土曜日、あまりにも不健康のために、本日は食事から管理されております。
「主食、副菜、旬のもの!!!!復唱!」
「主食、副菜、旬のもの!!!!」
「それじゃあ、調理始め!」
「オー!」
料理人のみなさんも協力を仰いでいます。
「それでその不健康は?」
「幸洋先生、こんにちは」
「ああ、優くん」
青葉と虎児よりも年がしたの、可愛らしいと言われるタイプの少年、これが黄藤優也である。
「不健康さんは訪問歯科の先生のところで、歯石掃除をしています」
痛かったら言ってくださいね、ああ、これは歯間すごいことになってますね、歯茎も下がっちゃって、これは腕がなるな!
「なるほど、これはなかなかのパーフェクトな不健康だね、青葉は知っていると思うが、こっちは弟子の虎児くん」
「よろしくお願いします」
「はい!!」
「怖がらせない」
「んな、つもりはねえよ」
「僕は最近勉強し始めたので、先輩方よろしくお願いします」
先輩、その言葉には色んな力がある。
「任しておけ!」
そのうちの一つが発動、虎児はいい気分になっている。
「おお、幸洋くんたちも来ていたのかい?」
白衣の、この人がおそらく歯科医である。
「終わりましたか?」
「それで、お風呂に行ってもらってる、じゃあ、私はこの辺で」
「お疲れ様でした」
そういって歯科医と助手を見送ると。
「さあ、三人とも、我々の出番が近いよ」
部屋に行くと、黄藤がマッサージの場所をセッティングしていた。
「先生、私がやりますよ」
「いや、落ち着かなくてね」
この幸洋先生に年齢が近い中年男性が、幸洋の師匠である黄藤である。
そのままわいわい雑談。
「お父さん、いえ、先生、不健康さんがお風呂上がりました」
すると廊下を歩いてくる男がいたが。
「なるほど、これは何という不健康」
「この上物、近年希に見るだろう?」
「ここにうちの奥さんやみっちゃんもいたら、大変なことになっていただろうよ」
「青葉、俺にはわからないんだが…」
「腰がまずわるいね、固まってしまっているから、いつもよ感じで歩いていない、血行不良も、冷え性かな、ここからだと、最近寒いからか、冷え性からなのかがわからないけども…」
青葉の説明に虎児も優もなるほどと頷いている。
ザッ
そんな中、幸洋が一番槍を務めた。
「セイヤ!」
幸洋が不健康を投げて、ベットにドスン!投げられた方はなんで投げられたのかわかってはいない。
「ふぁぁぁ!」
そのまま黄藤が足の付け根を回すと、不健康さんは叫んだ。自分の体が割れるような痛みが走るのだから、声がでないがない。
「やめて!」
「血行不良だね、体が温まっている今のうちに回さねば」
そういうと、幸洋も腕を回している。
「ぎゃぁぁぁ」
「大丈夫、私一人でやるより、二人だから半分の時間で済むよ」
にっこり。
ただ痛みというのは、自分の耐えれる限度を超えている。
「さて、次は腰だね」
「これはなかなかの強張りですな」
「うつ伏せになるのも辛いでしょう」
「あれは何してんだ?」
「腰が悪い時、その上下をほぐすと良くなるだよ、自分でもできるんだけど、本当に悪くなるまではわからないからね」
「青葉さんはそういうのは幸洋先生から教えてもらったんですか?」
「僕は違うところで習ったよ、変な話だけど、そっちで勉強したら、うちのオヤジの言っていることがもっとわかるようになったから、さ、色んなところで勉強するのが、虎児も頑張ってね」
「流れ弾がこっちにも」
「マダム(虎児母)からはどんどんやらせてねって、言われちゃっているからさ」
この間の試験あまり点数がよくなかったからです。
「ギャァァァァ」
悲鳴をあげながら、男は体をほぐされていった。
そして…
「あの後ですか?トイレの回数が増えすぎまして…回数増えると痛くなるって初めて知りました」
今はたまにヘッドスパのために楓に来ているのだが…
「アアアアア」
遠くから聞こえてくる悲鳴、それを聞いて、ああ、自分にもそんな時があったなと懐かしくもあり、もう自分はそれを味わうことがないのだと、悲しさまで感じたという。




