デリケートな悩みを告白するには勇気がいる~健康処楓~
「君が虎児さんの息子さん?」
「いつも父がお世話になっております」
虎児の父である花時から紹介されて、今回健康処楓に出張しているみっちゃんのお店に予約が入った。
「それではこちらからどうぞ」
営業は奥のエステルームで行われており、玄関から待合室を通らなくても奥まで行ける作りになっていた。
「ミツルさん、お客様がお見えになりました」
「はじめまして、本日担当いたします、中儀です、よろしくお願いします」
「ええっと…あの」
「お客様はこちらのコースでよろしいでしょうか?」
予約の受け付け表を見せる、そこにはデオドラントコースとある。
「うん、そうなんだ、虎児さんからボディソープいただいて、それはこちらで購入しているものって聞いて、使ったらよくてね、…子供に臭いって言われて、さ、今日はよろしくお願いします」
デリケートな悩みを告白するには、勇気がいる。
本来ならば子供に臭いといわれてから、ずっとショックを受けて、落ち込み続けていればいいのかもしれないが。
「どうしたの」
花時が心配してくれたのだ。
「何かあったのかい」
その時ふと気がついた、自分より年上の花時はさっぱりしてて、脂ぎっていないと。
「孤児さんって…シャンプーとか特別なもの使っています?」
「いや、うちの奥さんが選んでいるよ、奥さんが昔から通っているところで買ったやつで、そういえば前にも聞かれたな、何を使っているんですか?臭いったどうしてますか?って」
なんと、先人がもういたとは!そこからは素直に悩みを話していった。
「あ~それなら、ボディソープかな、それ明日にでも持ってくるよ、それでそういう臭いがすっきりするとかいってて、ずっと使っているけども、特に臭くなってないし」
「でもそういうのって高いですよね?」
「いや、普通の値段だよ、ドラッグストアで売ってるような値段、そうでもないと気軽に使えないよ」
次の日それをいただいて、仕事が終わってからそのままスパ銭に行き洗いまくった。
「ただいま」
「あら?」
嫁さんは気がついたようだ。
「やっぱりいつもは臭かったか?」
「そうね、でもそういうのは年齢もあるものだし」
精一杯のフォローなんだろうが、優しさは時として苦しみが増すだけである。
花時にどうすればいいのか連絡した。
返信としては私はそういうのプロではないので、そのシャンプーを扱っている所に行ってみたらと。
そこでリンク先をみてみると。
デオドラントコースなるドンピシャりなものがあったので。
明日にでも行ってみますといったところ、花時から待ってなさいと、息子さんからクーポンを取り寄せてもらったのである。
「それではご説明をしますが、今回二回洗います、それで洗い上がりを体感してみてください」
二回も洗ったら、カッサカッサにならないものか。実際に臭いと言われた日は洗いまくったのだが、ちょっと痛くなったし。
シャンプー台に移動。
まずはお湯で洗うようだ。
洗われるお客さんは知らないが、このシャワーヘッドはアデリタといって、お湯だけでもかなり汚れが落とせる、細かい粒子を発生させるバルブを使ったものである。
キュ
みっちゃんは使う前に必ず、自分の手に油性で線を引き、そこにアデリタが作り出した水の粒子をあてて、落ちたのを見て笑顔を浮かべてから、洗いに入る。
指の感触で、全部汚れが落ちきらない前に。
モコモコモコ
ビックリするほどの泡が立たせて、それを髪に乗せていく。
「失礼いたします」
泡を使って、マッサージしながら洗う。
これめちゃくちゃ気持ちいいな。
頭皮のツボを押しながら、あっ、そこもっとやってほしい、その後に耳の後ろをもみ洗い。
そして洗い流したあとに、次は違うもので洗う。
これもまたシャンプーなのだろう、泡立つので、ただこれ本当に大丈夫なのかな。
シャ~
丁寧に洗い流す。
「お疲れ様でした」
タオルでドライした後に、次の準備をするために理容師はさんはカチャカチャやっている。
その間に、自分の頭皮に触れると。
えっ?こんなにさっぱり、あれ?こんなにさっぱりするものなの?
「どうですか?調子は」
「これすごくない?頭皮も耳の後ろも、みんなさっぱりうるんだよ!」
「これ二回洗うのがコツなんですよ、最初のは洗浄力が強いものでして、次に使ったものは洗浄力はあるんですけども、一回目に洗ったものを補えるタイプのもので、洗えるトリートメントみたいなもんですね」
「へぇ、そんなものがあるんだ」
「これで鼻のパックをさせていただいて終了です」
黒い、コアラパックなるものを鼻に行い、それが硬化してペリペリと剥がしたらデオドラントコースは終了になります。
ふっ、これでパパは臭くないからね!
こちらのコースは虎児花時から紹介されるお客様に人気のコースになっております、皆様もぜひお試しください。




