クーポンを使う際は、こちらが指定した語尾をつけて使うこと
「菊露様、本当に、本当に…ありがとう(鼻声)ありがとうございます」
菓子折を持ってきたお客さんの声がこちらにも聞こえてくる。
「今回のはどうしたんだ?」
息子の青葉に、弟子の虎児は聞く。
「栄養失調中に、今までのシャンプーがしみるようになってしまって、オフクロが新しいのを選ぶの付き合ったんだそうだよ」
「ああ、そういうやつか」
身近には同級生の岩彰も菊露に選んでもらっていた。
「ああいうのは、気がつかないでなっていたりするからね」
もちろん、それ以外もありまシュよ。
「でもあのシャンプーが合うならまだ初期だよ、そこから骨粗鬆症にもなってくると、炎症がひどくて、夜も眠れなくなってしまうそうだから」
「それは壮絶だな」
「健康だとわからないものだよ、何をするにしても大変になっていくってやつ」
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言葉に困りまシュね、この辺は。
会員たちの中には過去を思い出すものもいるらしい。
しかしこれだけで済まさないのが、花信風一家である。
待合室に置いてある、健康へのこれからというパンフレット、これは長年不調と付き合ったものへ渡しているのだが、これはここで不調との苦しみはさようならしたものが、これから生活や仕事を建て直すためのガイドブックである。
ここにたどり着くまでに大金を使い、心身ともに疲れはてた者に一石を投じるないようとなっているでごわす。
いや、先生は一石というか、この世を跳ね回る水切りの石か何かだから。
これと人生を楽しむためのクーポン、旅券と併用して元をとるのだ!
そういえば先日のクーポン目当ての会員はどうなったでにょ?
景気が景気だけに、最近はそういう人をどうするか?は定期的に話し合いにはなっているが、キュンさんの。
「疑わしかったユーザー向けに、クーポンを使う際に、必ずこちらが指定した語尾を必ずつけて使うこと」という、一文をつけ足すことになった。
その規約を読んでからか、未だに登録はないでマンモス。
「声が小さい、そこはもっと伸ばせ!ニョーンだ、ニョーン!クーポン使いたいですニョーン!」
お得でこのクーポンがほしくても、この語尾のランダム指定設定によって、お得目的のユーザーはいなくなるのである。




