教え子に苦労をさせるつもりは一切ない
試験が終わったことだし、休みをどうする?なんて話になったりする。
「モミーはバイト?」
「モミー言うな」
モミーとは虎児のことである。
「二代目襲名したわけだし、もっとモミー感出していいんだよ?」
「うっせーよ、澄水」
「えっ?澄水は何するの?」
「本編ではそんなに出てないしな」
そこに。
「澄水くーん」
他校の女子がちょっと遠くから名前を呼ぶのだ。
「それじゃ、青春をエンジョイしてくるわ」
残された男三人には敗北感が残った。
「俺も金ないからバイトだわ」
「客いないと早く終わったらするからな」
「えっ?そんなときでもバイト代でないの?」
「おいおい、なんだ?」
「うちは先生の都合で休みになってもバイト代でるし」
「今のバイトやめてそっち行きたい」
「バイト格差だ」
この間バイト先の一人息子の青葉とカレーを食べたときもバイト代は出ました。
さっきそんな話をしたんですよなんて、楓に来てから幸洋先生にしたのなら。
「そういう話は聞いたりするけども、私は教え子にそういう苦労をさせるつもりは一切ない、けどまあ、それで歩みを止めるのならば…」
「一生ついていきます」
さすがは幸洋先生でごわす(感涙)
幸洋は大人になってから、黄藤という師に習いに行った、習い初めの頃は他の仕事をしながらということもあって、両立しなければならなかったが、師の計らいによりこの両立を上手くやりとげることができたので、自分の教え子にもそうするつもりと決めていた。




