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親子も弟子も一緒な休日プラン

「青葉、お父さんと山に行こう!」

白昼夢じゃないよ!

「大丈夫だぞ、青葉、先生は本調子だ」

休日の朝に父親の幸洋は元気で、なぜか弟子の虎児(こじ)もいた。

「せっかく休みが揃ったわけだし、お父さんの虫取りの技も見せたいし、一度もお前とは釣りにいったこともないから、イワナがね、今の時期はいるんだ」

「さすがに運転させれないよ」

「心配するな、青葉」

「そうだ!これがある」

日宿(ひやど)交通の親子と弟子も一緒な休日プラン始まりました。

「少しは疑おう!」

「えっ?」

「何を?」

青葉は作為的なものを感じているが、幸洋と虎児は単純に便利だなと思っている。

虫取りと釣り、どっちもは厳しいので、本日は釣りをすることになった。

タクシーで山の中にあるコテージまで行く、そのコテージで釣具の貸し出しや釣った魚の調理もしてくれるのだ。

「今日の昼は鹿の焼き肉なのですから、楽しみにしてください」

先生が息子さんとお弟子さんをつれてここまで来てくださるということを聞いて、熊や鹿を駆除しておきましたので、安心して釣りをお楽しみにしてクレソン。

バッバッバッ

幸洋と虎児がいきなり動き出した。

「何しているのさ」

「何って?」

「餌になるものとっている」

「ははん?お前ほしかったか、やるよ」

手にはトンボ。

「いいよ、餌もちゃんと用意されているし」

「最近は便利になったもんだね」

そうはいうが、間合いに入ったトンボは素手でとりまくっていた。マッサージでみられる幸洋の反射神経の良さは、自然で培われたもののようだが。

「針が見えないようにつかんだぞ」

「わかった」

「虎児くんも手慣れているね」

「俺、こういうの好きなんですよね」

そういって釣りは始まるが。

「水面に姿がうつらないようにね、警戒されるから」

そしてしばらく釣り時間、町中では聞こえない種類のセミの鳴き声が響く。

パシャ

「よーしよし」

イワナではないようだが、初ヒット。

しかしその後もなかなか本命には恵まれず。

「……」

「また来ようよ」

「そうだな、この山は夜は蛍も素晴らしいんだけどもね」

熊がもう一匹捕まってないので、夜はやめておけと言われています。

とうもろこし収穫前に必ず決着つけるクレソン!

それでは用意していただいた鹿の焼き肉、特性のタレを漬けてお召し上がりください。

パク

「うめ~」

「夏の鹿は美味しいとは言うものね」

葡萄を作っているとね、あいつらは敵ですよ、敵。

「よーしもりもり食え」

そういって虎児は青葉の皿に盛る。

「この後スパ銭行くからそこまで食べれないから」

そうなのだ、今日は虎児もいるので、そのまま楓には行かず、スパ銭に立ち寄ってからそこで解散である。

山の疲れを癒して、お湯にたっぷりと浸かり、湯上がりに冷たいものをいただいた。

「あれ?」

そこに岩彰(いわあき)が、彼女も湯上がりだったらしく、白に紺の浴衣がとてもよく似合っている。隣を見ると、虎児の鼻がよくのびていた。


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