シャンプー持参
「ふむ」
つい鏡を見てしまう。
いつもならばこの時期のこの時間になると、髪が非常にベタっとし、シャワーがほしくなるんですが、お店で髪を洗ってもらった次の日というのは、その不快感というのが全くない。
話は何気ないことから、始まった。
「お風呂の回数増えるけども、乾燥しちゃって」
ってそんな言葉から。
「じゃあ、さっぱりしていきます?」
と今まで使っていったシャンプー歴を聞かれ。
「一回合わないのに当たってから、色々試そうとかなくなったんだ」
「そうですね、では合うシャンプーでがっつり洗って、保湿しっかりしましょう」
話をすると、意外な展開に転がるものである。そうして次に行くときはシャンプー持参することになりました。
まずオイルマッサージ、頭にあるツボをぐぐっと押しながら、血行をよくしていく。そして揉みこみ、あ~なんだろう、だんだん店長の指がぴったり吸い付いていく、この状態からの手櫛をするかのように流し、流し。
オイルをお湯で洗い、シャンプーでプチュ、ゴシゴシと、泡立ち方がいつもと違う、なんていうのモコっとした泡が立つんですけど‥泡の質が見た目で大分違うのがすごいし、その泡をザー!あれ、いつものならば結構ここで乾燥するのだが、それがなかった。
ソッ
洗い上がりの髪が気になり、触ってみたが。
「これ、そのままでもいい気がする」
面倒くさいタイプなので、本当はシャンプー一本でもいい派にしたい願望があった。
「さすがにそれは」
苦笑しながら、コンディショナー、ちょっと置いてから洗い流し。
「シャンプーさんって、こんなに出来る子だったんですか」
「出来る子だったんです、でもね、これは自分でやるのはちょっと面倒くさいかなって思います、昔練習のためにお風呂でやってたら、寒くなりましたし、後洗いすぎるとそれはそれでパサつきます」
「じゃあそういうのは、プロに任せます」
「そうしてください、またお待ちしております」
そんな感じで、今はこの時期は定期的に髪を洗ってもらっている、もちろんシャンプーは持参である。