もっと普通の話はないの?~健康処楓11~
「汗が出たから拭き取るでしょ、するとね、黄色になっているの、拭き取ったタオル」
もちろん化粧を落とした上でである。
「信じられなかったわ、今までそんなことなかったから‥」
黄色は皮脂である。
「とんでもないことになるよっては聞いてたの、でもね、あんなに出なくてもいいじゃない‥」
以上健康処 楓のエステを受けてすぐのお客様の声でした。
「その後化粧のりが今までないぐらいによくなって、その人は今では常連だけどもな」
「すごいわね」
岩彰桜桃は、エステのエピソードを聞いただけで、ヤバいということだけはわかった。
汚物にまみれたこの私に、一筋の光を、救いの手を菊露様は差し伸べてくれたんですにょ。
「楓はもっと普通の話はないの?」
「おいおい、その言い方はないだろう」
その菊露の弟子である虎児はそんなことないだろうと思っていた。
「たらい回しで大分辛い思いしてから、ここに来てるから、どうしてもね‥」
その菊露の息子である花信風青葉は、子供の時から助けてください!とうちを訪ねて来る人たちを見ているため、否定はしない。
(けど、変なのが増えるのは嫌だけどもさ)
そこで健康処楓、ご利用者向けのクーポンの表紙を見るのだった。
ぬぅ!我々はあくまで陰日向の存在。
そうでシュ、個性的ではありますが無害でシュ。
「今でもたまに驚くことがあるよ、なんでそんな高額請求しているところがあるのかなって」
菊露の夫幸洋はそのときのことを思い出している。
「ヤバい、先生の闇がこぼれた」
そういったお客さんからの情報を得て。
「狩りの時間だぞ」
連絡を受けた関係各所が動き出したりすることもあります。
「先生はあちこちからの評価がめちゃくちゃ高いからな」
「私は普通にやっているだけなんだけどもね」
そういうが先生みたいに安く、早く、不調を改善させるところはそうないでゴワス。
ギリギリギリ
「アアアアアア」
幸洋は足を締め上げた。
「ねえ、あれは何をしているの?」
「座ると違和感があるっていってな」
「腰?」
「これはハム、太ももの裏だよ、ここが鍛えられてないせいだから」
逃げようとしても幸洋が離れない、動かなければはずせないが、とてもしんどい。
「あれで絶妙な負荷を見つけているんだ」
「よし、これでいいね」
私、これで本当によくなるのかなって思ったんです、でも座ったらね、お尻や足の裏の違和感が無くなったんですよ。
これからは心を入れ換えて、積極的に運動をしていきます、ありがとうございました。