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彼女と僕の7Days

作者: 碧空

小説の続きを書かなくてこんなの書いてしまって申し訳ないです...

               彼女と僕の7 days


僕の名前は紀見崎きみさき 永実えみ歳は最近15歳になった。

永実という名前なので小学生のころはよくからかわれた。だから僕はこの名前が嫌いだ。

そして僕には余命がある。

数年前に悪性新生物ガンに犯されていた。気付くのが遅かったせいでお医者様は「あと数年生きられるかどうか...」と言っていた。しかしお医者様に言われなくても限界に近いことが自分でもわかる。

そして寿命を伸ばすため抗がん剤の治療に入った。しかしそれでも進行を少し抑えることしかできなかった。

家族は最後に僕のやりたいことをさせようとしてきた。しかし寿命がもう少しと言う絶望感でしたいことが浮かばなかった。


「僕が生まれていいことなんてあったかな...なにかをみいだしたり、残せたのかな?」


と外を見ながらつぶやいていると親から一台のスマホをもらった。


「そうだ...最近はずっと外に出ていなかったから外のことが知りたいなぁ」


そう思った僕はTwitterのアプリを起動した。


最初は見るだけでつぶやかないがしだいにフォロワーも増えて行き


「僕も...なにか発信してみようかな。何かを残したいし...」


と両親に言ったら喜んで賛成してくれた。名前はエミでいいかな。


『♯初めてのツイート

僕はいまガンを患っていて外の世界が見てみたいです。誰か僕に外の世界を見してくれませんか?』


<ツイート>ボタンを押すのが少し怖かった。でも進まなければ何も始まらないので勇気を出して押した。

すると一瞬で拡散されて行きどんどんと写真付きのツイートが僕のところへやってきた。

そこは見たこともない絶景だったり大自然だったり凄く都会なところだったりと新しい世界が見えた。

そしてなぜか視界が歪んだ。いつの間には僕は涙を出していた。


「こんな世界がまだまだあるんだな...」


一件一件に感謝のリプを送っていると一件のDMが送られてきた。名前はヒマワリと書いてあった。


『君はどこにいるの?よければ会いたいな!』


送られてきて数分間は固まっていた。両親に相談してみると少し悩んでから承諾してくれた。

そして今いる病院の住所を送った。


                 【1日目】

一人の女性が僕の病室を訪ねてきた。

どうやら彼女がDMの送り主みたいだ。歳は同じくらいだった。

部屋をはいってきた彼女は僕を見るなり笑った。しかしなにか違和感のある笑い方だった。


「君がエミ君だね!!」


とても元気のいい透き通るような美しい声だった。


「は...はい。あなたはヒマワリさんですか?」


恐る恐る尋ねてみると彼女は近づいてきながら


「うん。本名は美夏みなつ 笑美えみって言うんだ。君とおんなじエミだよ。紀見崎永実君。」

「え?僕の名前を知ってるんですか!?」


少しこの人は怖かった。とても明るいし僕には眩しすぎる...


「え?だって君のお父さんが面会の手続きもしてくれたし病室の前に名前書いてあるし。」


「あ...」


驚くことが多すぎて完全に忘れていた。


「あはは!きみ面白すぎて...お腹痛い!!」


完全にペースを持って行かれた。


「ところで美夏さんはここら辺に住んでるんですか?」


ふと疑問に思って質問してみると


「エミでいいよー!住んでるのは関東のほうだよ!」


「はぁ??」


驚きすぎて変な声が出てしまった。ここは福岡だからものすごく遠いところからわざわざきてくれたのだ。


「そんな遠い所からなぜわざわざ僕に会いに来たんですか?」


「それはねお姉ちゃんが君と同じガンで亡くなったの...」


一気に空気が重くなった。


「あの...すみませんでした。」


「いいよ。そんなこんなだから君にあってみたかったの。」


少しの間お互いが無言になった。そして彼女が重たげな雰囲気で聞いてきた。


「君、寿命があと1週間だってね...」


その通りだ。僕に残された時間はほんのわずかだった。


「はい。でも最後にエミさんに会えてよかったです。」


「え?何言ってるの?明日も来るよ。」


                 【2日目】


彼女は言った通り昨日と同じ時間に僕の病室へ来た。

その日は彼女について、彼女のお姉さんについて話してくれた。

僕と同じ年の時に亡くなったそうだ。ただタイミングが合わずにお姉さん一人で旅立って行ったらしい。それをずっと悔やんでいるという。


「だから君とお姉ちゃんが似てるから会いたかったんだ♪」


「でも僕はもうすぐ...」


悲しくなって泣いてしまいそうだった。少しずつ涙がこぼれて行った。

そっと僕の涙をやさしく笑美さんは拭ってくれた。


「うん。もうすぐいなくなってしまう。でもね、最後に少しでも誰かにいてもらいたいでしょ?」


僕はうなずきながら彼女と言う存在が魂に刻まれていった。


                 【3日目】


今日も彼女は時間ぴったりに来てくれた。

昨日は彼女のことを聞いたので今日は自分のことを話した。


「僕は中学生になってからどんどん体調が悪くなって行って、病院に行ったらガンだって言われちゃった...その時に寿命のことも言われちゃいました。」


すると彼女は悲しそうに顔を俯いていた。


「私と同じ中学生に寿命のことを話すのは残酷だったと思う。でも何も知らないまま行ってしまうのはもっと残酷だったと思うよ...」


彼女は優しい。誰にでも優しい。他人のことを自分のように深く思ってくれる。だけど他人に寄りすぎて彼女と言う存在が壊れてしまうと思い、その日の夜は怖くてあまり眠れなかった。


                 【4日目】


彼女は来なかった。いつも同じ時間に元気入ってくれていた彼女が。


「さすがに思い通りにはいかないかぁ...」


その日はとても退屈に思えた。彼女と言う存在がどれほど僕を支えてくれていたか噛みしめるように分かった。

夜は彼女がもう来ないのではと思い不安になってなかなか眠れなかった。


                 【5日目】


今日も彼女は来なかった。さらに体調が悪くなっていった。

少しずつ思っていたことあがる。遺書だ。最初は書くなんて馬鹿馬鹿しいと思っていたが少しでもこの世界何か残せるのならばと思い家族あてに書いていたが考えがまとまらず途中でやめてしまった。彼女がいなくなって何もかもがどうでもよくなった。そんな気分にっていた。


                 【6日目】


ついに最後の一日になってしまった。僕は決意して家族ではなく彼女に言葉を残すことにした。

書いていて思ったが彼女がくれた日々は僕にとって大切な時間となった。与えてくれたものがすべて消えそうで怖い...書き終った遺書を僕は両親に渡し彼女が来たときに渡してくれと頼んだ。


「それと家族あてに遺書書けなくてごめんね...」


すると両親が泣きながら僕をやさしく包んでくれたそれは暖かくて、ちょっぴり寂しかった。


                 【7日目】


僕の最後の日。その日に僕は30分ほど心臓が止まった。意識が戻ったきときには家族とお医者様が僕の周りを囲んでいた。


「笑美さんは...今日もいないのかぁ...」


悲しそうな僕に家族は優しく笑ってくれた。

すると勢いよく病室の扉が開いた。


「永実君!!」


凄く聞き覚えのある数日しか聞いていないのにどこか懐かしい声が聞こえた。


「笑美...さん...?」


僕がまだいることに安心したように椅子に崩れ落ちる彼女はとても悲しそうで寂しそうだった。


「ごめんなさい...君といた時間は少ないはずなのにもう会えなくなるのが嫌で怖くて君に会えなかった。でも心臓が止まったって聞いたときこのままでいいのかって思って急いできたんだよ。」


その涙に溢れた顔を僕の小さな手で包み込む。


「いいや、謝ることなんて...無いよ...笑美さんがいたことで...僕は救われた。だから君が一人で悲しむことは無いよ...」


涙があふれて来る。でも、もう僕には彼女の涙を拭う力は無い。


「君は...泣くよりも笑顔のほうが...似あってるよ。だからねぇ...ヒマワリのように笑って?」


すると彼女は涙を流しながらも懸命に笑った。僕のため、自分のため笑ってくれた。


(あぁ...その笑顔が見られただけで僕は満足だ。君にはそれが似会っている。こんなにも彼女を思って愛おしくて...僕は君に会えたこの7日間は大切な僕の生きる意味だった。)


意識が朦朧とする中みんなの顔が見える。


「私は君を忘れない。君はもう私の大切な人だから!」


最後に満足のいく人生の終わり方だった。大切な家族に見送られ、大切な好きな人に見送られ、僕の人生は最後に最高の思い出を残して旅立っていくのだった。


さようなら。出来ればまた君に会いたいなぁ。


えぇ。きっとまたいつか君に出会えると信じてる。


最後の7日間は夢のように儚く夢のような時間だった。



                                     fin

勉強不足で現実味はないですがふと思いついたので書いてみました。

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