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優しさとは

作者: 毛細血管

俺、青葉 結城のクラスにはいっそ狂気を感じるほどに優しい男がいる。そいつ、紫優 大地は誰にでも優しい。老若男女問わず誰からも好かれるような男だ。顔が格別良い訳でもないし、両親が凄い訳でもない。ただ、ひとえに彼の歩んだ道がそうさせているのだろう。でも、だからこそ、何故?という疑問が湧いてくる。人は誰しも理解の及ばない物事に恐れを抱く、それが俺は大地の存在だっただけだ。


優しさとはなんなのだろう。そんな疑問が湧いては答えが出ずに溜まっていく。


だから俺は聞いてみたんだ、大地に直接。


「俺が他人に優しくする理由?そんなもん自己満足に決まってんじゃん。」

「は?」

「だってそうだろう?俺は他人に優しくしたいから困っている人を見つけたら声をかけるんだ。人に優しくできるなら誰でもいいんだよ。」

「なるほどな、自分がしたいから、か。」

「じゃあこっちから質問いいか?」

「ああ、もちろんだ」

「いじめについてどう思う?」

「いじめか...」

「そうだ、いじめだ。別に善し悪しが聞きたい訳じゃない。そんなのわかりきっているからな。」

「自分がにとって気に食わない相手に苦痛を与える行為、そんな所か?」

「ああ、そうだな。つまり自己満足だ、俺が他人に優しくするのと本質は変わらないってことだ。」

「そうか、それでも俺は違うものだと思うけどな」

「ま、考え方は人それぞれだし、だからどうっていう話でもないんだ。」

「今日はありがとう、こんな話に付き合ってくれて」

「気にすんなって、じゃあ俺は教室に戻るな」

「ああ」


結局優しさがどういうものなのかわからずじまいだ、それでも今日、大地とした話は俺にとって無駄ではなかっただろう。

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