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Bullet 0 プロローグ

「卑怯者、正々堂々まともな手を使ってきなさいよ!」

「どうしましょうカレンさん…囲まれてますよ…。」

「俺たちにとっちゃいいカモさ、わざわざありがとな。」


もうすぐ日が沈もうかという黄昏時、薄暗い森の中で複数の男女が声を掛け合う。何も穏やかな雰囲気ではない。それぞれが武器を取り出し、女性たちを囲んでいるのだから。


(まさか草原の(こいつら)に目を付けられるなんてうかつだったわ。もう少し慎重になるべきだった・・・。)


草原の牙はUnknown Ground Onlineでは名の知れたPKギルドであり制裁を何度もプレイヤーから受け、解散したもののいまだにパーティー、またはレイドを組んでPKを行っていることから周囲からギルドとして認識されている。


「さて、そこの初心者ちゃんには悪いがこれもゲームなんでな。」

「トッププレイヤーでもさすがにこの人数では耐えられんだろう。」


目に見える範囲でカレンたちを取り囲む人数はフルパーティの八人だが町へ逃げている際にも、カレンの持つ索敵スキルにもその他に数十人いることが分かっている。

カレンがトッププレイヤーだとしても相手も中堅プレイヤー以上がほとんど。しかも度重なるPKで対人戦闘は一部だが相手の方が上だと感じている。


(くそ、どうする…考えろ…。)


「さぁやるぞ。」

「「「しゃぁ!!!」」」


「リルちゃん!私から離れないでね!」

「はい!」





















「ここまでてこずるたぁ予想外だったが・・・ここまでだ。」

「ハァ…ハァ…くそう。」


日は既に沈み、辺りは月の光とスキルが生み出した光源が照らすのみ。

カレンはリルを守りながらも多くのプレイヤーを倒した。ほかのプレイヤーが見ればこの状況下でよくここまでと評価しただろう。しかしながら長時間の戦闘による疲労、そしてリルが麻痺針によって動けなくなったことによる油断によって自身もその針をくらってしまった。

動けない危機的状況の中でカレンはあることに気づいている。周囲の奴らは気づいている様子はない。カレンはそれに賭け、時間を稼ごうとする。


「どうして…繰り替えすの…?わかってるんでしょう…?」

「あぁ?んなもん決まってるだろ、楽しいからだ。今まで稼いできた金や経験値がごっそりなくなって苦労が水の泡になった瞬間のあの顔。何回見てもたまんねぇ。」

「別にPKが禁止されているわけじゃないからな。他が勝手にPKは悪だなんだと思っているからただ純粋にPK出来ねぇんだよ。ジズゥはそれを受け入れて賞金首制度(バウティハント)とかいうのに則ってるらしいが俺は嫌いだね。」


リーダー格らしきプレイヤーは不満を大いにぶちまけ、それに便乗して周囲も怒鳴ったり小声で言ったりとo各々反応している。




ドサッ




「?!おいどうした!?」

「おい待機してたやつらどうした?!一人もいねぇぞ?!」

「待て、今確認す…。」



ドサッ

確認しようとしていたプレイヤーが倒れる。はたから見れば突然HPバーが一瞬で無くなり倒れたように見えただろう。

しかしそばにいたものならば見えただろう。

横を何かが通り過ぎたのを。



「狙撃か?!いったいどこから。」

「銃とか使うもの好きいるのかよ!」

「もういい、さっさとやっちまおう!」


一人がこれ以上待てないとばかりに剣を振り上げる。カレンはいまだ動けずその剣をただ見ることしかできない。




しかしその剣がカレンに届くことはなかった。




「くそが!腕吹っ飛ばしやがって!!早く見つけてぶっころ…。」


タン



すぐ近くで軽い銃声が聞こえるとその男はHPバーがなくなり倒れた。


「?!」


いつの間にか残るはリーダー格の男とその他二人となってしまっていた。

PKプレイヤーたちは自分たちがいつ殺されるかわからない恐怖を味わっていた。まさか自分たちが狩られる側になるとは当初は予想だにしていなかっただろう。このPKに参加したプレイヤーはカレンを倒すだけでも全員が黒字になるほどだったのだ。それほどカレンとの差は大きい。だからこそ今回のような形で倒そうとしていたのだ。


(くそが、もういい。)


「おい、引き上げるぞ。これ以上は無意味だからな。」

「仕方がない。誰もこんなことなるなんて思ってもないしな。」

「逃がすと思っているの?」

「?!ちぃ!」


カレンは素早く攻撃するが致命傷は与えられず、PKプレイヤーたちは生き残る。しかし次の瞬間三人は動けなくなり倒れる。ステータスを見ると麻痺Lv3の状態異常にかかっていた。

なぜかかったのかわけがわからずただゆっくりと周囲を見渡すことしかできず、見まわしていると不意に視界の片隅の空間が揺れ、リルを抱えた一人の黒服が現れた。


「リルちゃん?! 大丈夫なの!?」

「…気絶してるだけ。HPも毒も回復させた。」

「そう、よかった。ありがとう」

「まだいうのは早い…。」

「そうね。」


カレンは三人の方に振り向くと剣を素早く振りぬいた。


「次やったら本気で潰すから覚悟しなさい」


と言葉を告げて。



















「今日はありがとう、助かったわ。」

「あ、ありがとうございました。」

「…別にいい。じゃあ…。」



カレンはリルと一緒に店で食事をしていた。。




「リルちゃん今日はごめんね、怖い思いさせちゃって。」

「確かに怖かったですけどこれも経験だと思いたいです。」

「あまりこういう経験はしたくはないと思うんだけど…。」

「こうやって普通に過ごせてますし大丈夫ですよ。気にしなくていいです。」

「そう言ってもらえるとこっちも助かるんだけどね。」




「そういえば助けてくれた人の名前聞いてませんでした。カレンさんは知ってますか?」

「あ、そういえば私も名前聞いてなかった。…けど多分あの人『影鴉(シャドウレイヴン)』じゃないかしら。」

「二つ名持ちの人なんですか?!」

「断言は出来ないけどね。戦い方と服装は掲示板とかフレンドから聞いた感じと似てたし。」

「へ~、フレンドになれるチャンスだったかも…。」

「…(したた)かねリルちゃん。でも確かにそうだったかもしれないわね。」

「また会えますかね…?」

「会えると思うわよ…多分。」







新しいのばかり増えて他の続きが書けない・・・。

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