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転生したら女装するコトになりました?  作者: 九透マリコ
第六章 誰が為に鐘は鳴る
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閲覧&ブクマ&評価をありがとうございます。

 僕とアルが、初めて入れ替わった時、あの人だけにはどういう訳か直ぐにバレた。

 その時の楽しそうな笑顔が、多分僕が唯一見たあの人の自然体だったんじゃないかなぁ。




 アリアに向かって投げつけられた物の正体は、銀食器の皿だった。これがもし、陶器や硝子であったならゾッとする。結局、犯人は分からずじまいだったようだけど、その人の本気度合いに感謝しなくもないと言える。だって、本気でアリアに危害を加えようと思えば出来たはずだもの。

「えっと。これを……こう、かな?」

 だから、今回の件は彼女に対する威嚇の意味として捉えるべきだ。その投げられた物によって、誰一人として負傷していないのだから。……投げられた物からは、ね。これ重要なので二回言う。

「後は、えーっと」

 包帯包帯、と言いながら、彼女はそこに備え付けられたキャビネットを漁り出した。

「そこまでしなくても大丈夫ですよ」

 僅かに消毒液の匂いが空間いっぱいに広がるのは、真っ白な壁紙で外から閉ざされた広い医務室。僕に対して後ろ向きでキャビネット内を探しまくるアリアに、苦笑して声を掛ける。

「で、でも!私がびっくりしてアルミネラさんの腕を握ってしまったのが悪いから」

 ……まあそうなんだけど。

 あの時、彼女を守ろうと頭ごと抱き込んだまでは良かったと思う。その後、余程恐かったのか彼女は僕の腕にしがみついて、その時どうも彼女の爪で腕を引っかかれてしまったらしい。気付けば、肘から赤い線がピッと伸びておまけにちょっとだけ血が滲んでいた。

 僕にとっては、別に大した怪我じゃない。前世では誰にでもよくある事の一つだろう。なのに、周りが大騒ぎし出した時には止める事など出来なかった。皆が僕をどう見ているのか、なんとなく分かってしまったぐらいには。僕は、そう死にかけの子犬にでも見えるのだろう。

 まるで、余命幾ばくもない重傷者みたいにアシュトン・ルドーに抱き上げら、いや、あれは忘れよう。男としてどうかと思う。しかも、同じインドア派のくせにあんなあっさり抱き上げられるなんてどこにそんな力が。あーもう。とにかく、向かった先はこの医務室で。

 ご令嬢だからという理由で、この部屋に放り込まれたのは僕とアリアだけだった。ちなみにオリヴィアは、狼狽えすぎて何故かサラを呼びに行ってしまった。

「こんなかすり傷なんてそのうち直りますよ」

「アルミネラさんって、儚い見た目とは違って意外とタフなんですね。怪我、させてしまってごめんなさい」

 クスッと笑った彼女がぴょこっと頭を下げれば、それに合わせて緋色の髪がさらさらと上下する。

「あなたは、ご自分が本物だと思いますか?」

「え?」

 うわぁ。訊いてる僕自身も驚いた。朝からずっと一緒にいて、彼女は緋色の持ち主だけど陛下やオーガスト様とは違う気がしてならなくて。先程の件もあって、そんな言葉がぽろりと口から飛び出してしまったのだ。

「あっ、ご、ごめんなさい。変な質問してしまって」

 忘れてください、と視線を逸らせば彼女は僕の傍にあった椅子に座った。

 腕を出して下さいと促されるまま差し出せば、どうやら包帯が見つかったらしい。伸ばした腕に慎重に巻き付けていく彼女は、しばらく沈黙したあと口を開いた。

「正直に言えば、まだ半信半疑です。でも、この髪と目は本物だってそれだけは自信を持って言えますよ」

 ほんとは、そのまま受け流してくれても良かったのに。

 彼女の相手に対して真摯に答えようとする姿勢が好ましい。コルネリオ様が、どういった思惑を抱いているのか知りもしない彼女が可哀相に思えてくる。そりゃあ、僕だってあの人が何を考えているのかさっぱり分かってないけどさ。無理難題を突きつけられて、手がいっぱいの僕には彼女をどうにかしてあげる事は出来ない。

 情けないな、と小さく息を吐き出せば。

「そうだ!そういえば、私っ!着の身着のままここに連れてこられたんだ!」

 そこに、アリアが包帯を持ったまま勢いよく立ち上がったものだから、後は自ずと負の連鎖へ。

「えっ?ちょっ、引っ張らな、まっ、」

「きゃあ!」

 がたんと丸い椅子が転がっていく様が視界に映る――逆さまに。

「……ったた、大丈夫ですか?」

 腕が引っ張られた事もあって、どうやら彼女を床にぶつけるような状況からは避ける事が出来たけど。妹以外の女の子に乗っかかられているこの状態は、女装じゃなかったら完全にアウトな気がする。僕だって健全な男子ですから。

「アリアさん?」

 大きな音がしたし、アシュトン・ルドーや騎士団の人が駆けつけてきそう。この寝転がっているままというのはさすがに困るんだけど。

「もしかして、どこか怪我」

「……い」

「え?」


「胸が……ない!」


 そう言われて、ようやく彼女の片手がばっちり僕の胸元に置かれている事に気が付いた。

「……」

「……」

 あちゃーと思うのと同時に、僕を見下ろす彼女の緋色の瞳とかちりと目が合う。この何とも言えない沈黙が恐ろしい。彼女は、僕を批難するかな?それとも、気持ち悪いって拒絶する?

 その時、バタバタと足音が廊下の方でこだました。

「何事ですか!」

「どうした!無事か!?」

 ……どうしたもこうしたも。

「ちょっとこけてしまっただけです。すみません」

 アリアの動きは速かった。それはもう、今は名前を呼びたくもない元暗殺者の駄犬のように。その無駄のない動作で彼女は既に立ち上がり、僕だけが床に座り込んでいるので仕方なく頭を下げる。

「全く、お前は」

「大丈夫ですか?お怪我の治療は……まだ、という事ですね」

 ねぇ、今の聞きました?ここはキルケー様を見倣うべきでしょ、アシュトン・ルドー。まだ呆れた目で僕を見ているアシュトン・ルドーに心の中で悪態をつく。僕の事を本物のアルミネラだと思ってた頃は、何かに躓いただけで甘やかしてきたくせに。いや、さっきみたいに抱き上げられたりされるのもたまったものじゃないけどさ。

「終わりましたらお声掛けください」

 さすがは騎士団。にっこり笑って、それで全てが流された。アシュトン・ルドーに至っては渋々というのがありありと分かる顔付きで去って行ったので後味が悪い。この違いよ。

 再び、静粛が部屋を支配して何とも居心地が悪くなる。けど、まず僕が言わなくちゃいけない事は。

「……ありがとう」

「えっ?」

「彼らに言わないでいてくれて」

 弁解の余地すらないぐらいの怒濤の早さで事が起きてしまっただけに、アリアにバラされるかもなんて思ったのだ。キルケー様もアシュトン・ルドーも僕とアルの入れ替わりは知っているけど。

「じっ、じゃあ、やっぱり?」

 先程から顔を赤く染めていたのに、その一言に頷いた途端彼女の全身が赤くなる。特に首から上は髪も瞳もあかいから真っ赤といって良いほど赤かったので苦笑してしまう。

「妹は騎士になりたいらしくてね。入学前に僕を騙して、今もリーレンで頑張ってるんですよ」


 ――夢に向かって。


 怪我をしても、あの子は騎士になる事を諦めない。

「……ふふ。やっぱり、皆さんが言ってた通り、ですね」

 皆が言ってた通りって?

 首を傾げた僕に、アリアは両手で口元を隠してクスクス笑う。

「シスコンだって言ってたじゃないですか。まさか、妹さんの為にここまでするなんて思ってもいませんでした」

「僕だってそう思います」

 本気でね。そう答えたら、また楽しそうに笑い出した。

 ああ、良かった。どうやら、彼女は女装に対して不快感はなさそうだ。シスコンで思い出したけど、僕の事を王子様だとか言っていたからその反動で気持ち悪がられるかもなんて思ってた。

「私も、さっきはごめんなさい。それと、ありがとうございました」

「ああ、怪我はありませんでしたか?」

「ないですよ。そっちもだけど、そっちじゃなくて。私が引っ張ったせいで転ばせてしまったのに、謝らせてしまって」

 アシュトンたちへの誤解の件ね。律儀だなぁ。

「そういうのは、男として当たり前だから。気にしないで下さい」

 彼女は平民だから分からないけど、あれがそこらの貴族の令嬢だとしたら羞恥心で打ち震えていただろうなと思う。だって、エルが可愛い失敗でそうなっているのをたまに見るから。ほんと、エルには見た目の綺麗さと内面の可愛さとの違いで、たまに悶えさせてくれるので困る。うん?嬉しい悲鳴ですよ、それが何か?

「……あ、あ、ありがとうございます。そんな事言ってもらえたの初めてです」

「そうなんですか?」

 昔から、そういう空気は読めたからね。ふふん。

「ええ。だって、私の周りの男ときたらうるさいとか邪魔とか酷い事ばかり言うんですよ!さっきのが、もし幼馴染みだったとしたら確実に私にやられたって言いきりますから!」

 そんな風に息巻いて怒るアリアは、それでも活き活きしていて楽しそうだ。

「ふふっ、」

 思わず見ているこっちまで面白くて、笑ってしまった。

「ああ。本当に綺麗ですね」

「そ、そんなことないですよ」

 うーん。アリアはよっぽどこの顔が気に入ったのかな?じーっと魅入られるように見つめられて、目のやり場に困ってしまう。今まで、この子にはこんなあからさまにジロジロ見られることなんてなかったし。

 どうしよう、とソワソワしていたら医務室の扉が開いた。


「アルっ、大丈夫ですか!」


「えっ、エル?」

 淑女にしては珍しく、息を切らしながら部屋へと入ってきたのは僕の自慢の婚約者、エルフローラだった。ダークブロンドの綺麗な髪が少し乱れているのに、彼女は真っ直ぐと僕の傍までやってくる。

「あなたが怪我をしたとクラスメイトから聞いて、居ても立ってもいられず来てしまいましたの」

「そっか。皆、大袈裟だなぁ。ちょっとした怪我だし大丈夫だよ」

 ううーん。皆の認識を覆す方法はないのかな。ちょっと真剣に検討せねば。くっ。

 話しながら巻いてもらった包帯を見せて、ね?とエルに笑いかけると、彼女は胸をなで下ろして表情を綻ばせた。

「ああ、良かったですわ。あなたが運ばれたというお話を聞く少し前に、フィナさんを巡って生徒同士が諍いを起こしたので保健室の先生がいらっしゃいましたの」

「ああ、いつものアレね」

 ここが乙女ゲームの世界だからか、主人公であるセラフィナさんに好意を寄せている生徒は多い。なので、定期的に彼女の意思とは裏腹に男子生徒が喧嘩をするのだ。

「貴族様の学校でも喧嘩ってあるんですか?しかも、治療するレベルなんて」

 信じられない、といったような表情でアリアが片手で口を覆う。

 ……言えない。保健の先生が出動する理由が、己を理由に喧嘩をする生徒たちをセラフィナさんが平手打ちで物理的に止めにかかるので、稀に思春期の彼らがイケナイ世界の扉を開いてしまう事があるからだとか。ちょっと貴族って頭おかしいんじゃない?って思われそうで言えない。

「き、貴族といっても同じ人間ですからね」

 むしろ、貴族同士の方がもっと汚い手を使ってきますし。なんて言いながら別次元に飛ぶ連中の事は無かったことにして、そういえば、と思い出した。

「紹介しますね。彼女は、幼馴染みで同じ学年のエルフローラ・ミルウッド公爵令嬢です。……あと、兄の婚約者です」

 エルもアリアも僕がイエリオスだと知っているので、妹になりきって自分の婚約者を紹介するのが何とも面はゆい。二人は初対面だから、お互い僕の正体を知ってるって知らないけどさ。結局、さっきと状況が変わってないんだよね、実は。

「……婚約者?」

「ええ。エル、こちらはコルネリオ様から今日一日お預かりした大事なお客様のアリアさん」

 アリアに何故か驚かれていてしまったけど、僕に婚約者がいる事を言わないという選択肢はない。

 エルに視線を向ければ、僕の説明だけで全てを理解してくれた彼女は柔らかく微笑んだ。

「はじめまして、アリア様。私、アルミネラの兄であるイエリオス・エーヴェリー様の婚約者のエルフローラ・ミルウッドと申します。突然の来訪、申し訳ございません」

 きちんと非礼も詫びて、エルは見惚れてしまうぐらいの完璧な淑女の礼をする。さすがは優等生。この真面目さが彼女らしい。エルの完璧さに僕の方が誇らしい、なんて思うのは惚れた弱みかな。

「……あ、いえ!ア、アリアと申します。えと、……イ、イエリオスさんとアルミネラさんには大変お世話になっています」

 少し取り繕ったように慌てながら、アリアも挨拶しつつ頭を下げた。まあ、急に知らない人と会ったらそうなるよね。

「まだご見学の途中でしたね。私は教室に戻りますので、ごゆっくりなさって下さいませ」

「は、はい!ありがとうございます」

 どうやら、それは彼女の癖なのだろう。己の長い緋色の髪を弄るアリアは軽く頭を下げながらもエルをジッと上目遣いで見ている。

「……何か?」

「い、いえ!その、……お綺麗だなって、思って」

「まあ!ありがとうございます」

 クスクスと鈴の音のように笑うエルに少しばかり癒される。アリアの登場とアルミネラの大怪我で、ここ最近彼女と落ち着いて会話も出来てなかったからなぁ。

 それに、コルネリオ様からのあの話を言うべきか迷ってるという事もあって。

 エルを不安にさせたくはないけれど、コルネリオ様の事だから僕が決めかねたままだと何かしら次の一手を打ってくるのは目に見えている。ただ、婚約に関してエルが被害を受けるなら、父君であるクロード様がそこでどう動くかにもよるだろう、けど。

 僕は、最終的に僕がどうなろうと構わない。


 だけど、エルだけは――


「では、私はそろそろ戻りますわね。アル、また明日」

「うん、来てくれてありがとう」

 部屋から出て行く時も扉の所でアリアに頭を下げたエルに手を振って、それじゃあ僕たちもそろそろ行きましょうか、と席を立つ――が。

「……?」

 扉に向かう僕の袖をアリアに掴まれ引き留められた。

「どうされました?」

 見下ろした彼女はつい先程までの明るさを急に無くし、僕から視線を逸らして俯いているので一体どうしたのか分からない。もしかして、敷地があまりにも広すぎて疲れたのかも。そう結論づけて、もう一度椅子へと腰掛けた。

「さすがに疲れましたよね。僕もここへ入った当初は実は校舎で迷子になりかけた事があるんですよ、内緒ですけど。今日はもうお帰りになられますか?」

 さすがに息抜きといっても、正直、ずっと学院内を歩いてばかりは面白くないと思う。貴族狩りなんていう物騒な事件が起きてなければ、僕がお茶会を主催して、エルやセラフィナさんといった同じ年齢の女の子たちと親交してもらう事も出来たんだけどな。

「……」

 案内役が僕で申し訳なかったなぁ、と思いながら訊ねてみるも返事はない。どうしたものか悩んでいれば、いまだ握られた袖の端にギュッと力が込められた。

「……入れ替わっている事って、秘密、なんですよね?」

「内緒にしてもらえると助かります」

「……」

 うん?やっぱり、男が女装してるなんて気持ち悪かったかな?いや、けどそれなら僕の袖なんて掴まないか。

「もしかして、何か不快なこ」

「さっきの、」

 ぼそり、と低い声がしたのでそんな声も出せるのかと内心で驚きながら首を傾げる。

「えっ?」

「さっき言った事、撤回します」

 先程までと全然違う彼女の様子に調子が狂う。

 さり気なく彼女の顔をのぞき込めば、緋色の前髪の隙間から見えた彼女のあかい瞳は虚ろな炎の揺らめきを灯していた。

「……」

 これ以上、聞き返すべきではない、と何故か本能が叫んでる。

 けれど、今更止める訳にはいかなくて。

「……さっきって?」



「私は、きっとこの国の王女です。だって、この髪と目がそれを証明しているわ。だから――あなたはあのひとじゃなくて私と婚姻すべきです」



 微かに震える指先が握る袖からも、どれだけ彼女がそれを強く望んでいるのか伝わってくるようだった。

 コルネリオ様から先に聞いていなければ、なんて荒唐無稽な話を言い出すんだと思っていたかもしれない。

「い、いきなり、何を言い出して」

 はぐらかす、というよりは取り乱してしまったと言って良い。

 こういった幾路に立たされる事は、これまで何度もあったけれど何度味わっても慣れないもので。表面上、取り繕った顔をするのがやっとだった。これで文官になろうというのだから、父に謹慎処分を申しつけられたのは当然だろうなぁ。……成長したい。

「妹さんと入れ替わっていること、秘密にしておきたいんですよね?だったら、私を選んで下さい」

「……自分が何を言っているのか、分かっているんですか?」

 というか、ここまで清々しい脅迫は久しぶりかも。某隣国の王子以来。あ、嫌な思い出。

 まさか、この子コルネリオ様に洗脳されてたりしないよね?ね?何が彼女をそうさせたのか分からないけど、あまりにも打って変わりすぎて逆に心配になってくる。いや、他人の心配をする余裕なんかないんだけどさ。

「公爵様よりお姫様の方が上ですよね?」

「……っ」

 やっぱり、そうくるよね。地位とか肩書きは卑怯だってば。いや、ほんと某王子様と全く同(自主規制)。


「だったら、私の方があなたを絶対幸せにしてあげられるに決まってます!」


「へっ?」

 うん?え、えーっと、ごめ……ちょっと拍子抜けしてしまいました。はい。間抜けな声出しちゃった。

 それもこれも、今まで僕が手段を選ばぬ卑怯な方法を受けてきた所為かもしれない。だって、拳握って力説されたのが純粋な理想だとは夢にも思わないでしょ?斜め上どころか、飛躍してるというかさ。……本気で人を脅す気があるのかなーって、さ?

「だから、」

「申し訳ありませんが!……少し席を外しても宜しいでしょうか」

 彼女が冗談を言っていないと言うことは分かってるつもりなんだけど、こういった交渉慣れをしてないのが分かってしまってやりづらい。

「あ、は、はい。分かりました」

 ほらね、こういう所とか。攻めるなら、逃げ道を塞いで今結論を出させる方が有利なのに。

「……」

 って、僕がそういう世界にどっぷり浸かりすぎてるから感覚が麻痺しているだけかも。

 ……はあ。そういえば、オリヴィア遅いなぁ。

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