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転生したら女装するコトになりました?  作者: 九透マリコ
第四章 色とりどりの世界
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いつも、閲覧&ブクマ&&評価をありがとうございます。

 前世からそうだったけれど、僕はあまり「助けて」の一言が言えない性格だった。前世では、お兄ちゃんなんだからとか、柔道家としてのプライドだとかあったけど。

 今生では、それを口にする前に、たいてい妹が動いているのが常になっているからだ。






 耳を澄ませば、各教室から漏れてくる教師が講義をしている声が響く。まだ午前中ともあって、大きなグラウンドから高学年の生徒たちのかけ声も聞こえてきていた。

 今日は、予定表では座学を見学している最中だ――本来ならば。

「……」

 ……えっと。これって、とりあえず抗議するべきなんだよね?

 って事で、さり気なく身を引いて顔を背けて告げてみる。

「あの、か、顔が、近いんです……けど」

 何故、女装もしてないのに、人生二度目の壁ドンをされているんだろうか、僕は。しかも、その相手がディートリッヒ統括長っていうね、威圧感があるイケメンな訳ですよ。あはは。……謎過ぎる。

「そうか」

 えっ?まさかのそれだけ?いやいや、誰も見てないとはいえ、もうちょっと相手に気を遣ってください!

 そもそも、どうしてこういう事態に陥ったかというと、相手が策を弄しただとか僕が変に動き回ったのでもなく、たまたま偶然トイレの入り口で出会っただけという、至ってまともな巡り合わせに近い産物だった。

「不都合はないか?」

 不都合……ある意味、今の状況が不都合極まりないです。というか、いつものソレならもっと普通に聞いて欲しかった!

「特には」

「要望などあれば聞くが」

「いえ、ありません」

 このやりとり、これで何回目だと思います?

 ディートリッヒ先輩にとって、フェルメールは憎たらしい男でしかないのかもしれないけど、僕にとっては妹を守ってくれる人な訳で。要するに、今はクルサードと聖ヴィルフの件でいっぱいいっぱいだという事だ。うん、思考が飛躍してるのは分かってる。つまり、僕は今、非常に混乱してる状態なんだってば。

 それでも、前世では縦社会と名高い運動部に所属していたのもあって、内心の疲労は隠して普段通りの受け答えをする。慣れって恐い。

「……」

「……?」

 何だろう?いつもなら、他には?と切り返しがくるはずなのに、何故か無言で見つめられてしまった。

 グランヴァル学院で、顔面偏差値が高い人とばかり交流していたからかもしれない。ちょっとやそっとのイケメンに見つめられても、あまりドキドキする事はなくなってしまった。

 というか、違う意味合いでドキドキはしてるけど。

 だって、この人アルについて僕に何か話があるのに、今までタイミングの問題だとか時間の問題だとかでずっと今の今まで引っ張られていたりしてるし。

「……先輩?」

 しばらく沈黙が続いたため、不安になって声をかけた。

「ああ……いや、すまない」

「あの、以前妹の事について、何かお話があったようですけど。もしかして、その件で迷われていらっしゃるのでは?」

 ――なんてね。

 本当はこんな事、自分から聞きたくないにきまってるでしょ。

 けど。僕たちが入れ替わっている事実を知っているのなら、早々に言ってもらった方がありがたい。いつものように、ばっさりと。

 当初、アルミネラにはこれ以上バレたら駄目だよなんて言っておきながら、僕の想像を上回って僕たちの入れ替わりに気付いた人が多いという事実に、実は最近諦めてしまってる。

 いい加減だと言うなかれ。僕だって、諦めたくて諦めているわけじゃない。

 ……でも、こういう所がアルをがっかりさせてるのかな。

 ああ、やるせない。

 ここ数日、ゴタゴタに巻き込まれて何も考えられなかったけど、また憂鬱になってきちゃった。

「確かに、そうだったが。……どうかしたのか?暗い表情になっているが?」

「いえ」

 と、普段通り首を振ろうとして、ふと間近にある研ぎ澄まされた緑色に黄色く縁取られた色合いの瞳を見ている内に、何気なく言葉が飛び出した。

「……もし、リーンハルト先輩に『会いたくない』なんて言われたら、統括長ならどうされますか?」


 同じ双子という彼らなら、何か参考になるのではないか、なんて。


 期待してしまう。

 僕たちとはまた違った関係を築いているのかもしれないけど。

 少しの間、ディートリッヒ先輩は目を見開いて黙ってしまった。

「……」

 もしかして、聞いたら駄目だったかな?と僕が心配になって首を捻った頃、先輩は軽く息を吐き出してから困った表情を浮かべながら口元に笑みを作った。

「お前は、鋭いのか鈍いのか分からないやつだな」

「……え?」

 どういう?

「隠していても、いずれ分かるだろうから言っておこう。俺は、リーンには嫌われているんだ。……もう、ずっと昔からな」

「そんな」

 公の場では普通に話していたし、どこにそんな含みがあったのかなんて思い返せば。

「リーンが俺を嫌っている事を知っているのは、この学校ではあの男ぐらいか。だから、『もし』なんて生易しい言葉ではない。あいつは、校内でも現在進行形でおれと『会いたくない』はずだ」

「……」

 ディートリッヒ先輩の口から出た『あの男』が、フェルメールだという事には直ぐにいきついた。

 そうか。だから、フェルメールは、ノルウェル兄弟と絡んでいる時、たまに複雑で面倒くさそうな顔をしていたんだ。――それに。昨日、僕はフェルメールにディートリッヒ先輩はリーンハルト先輩をどう思っているのかを聞いたけど、逆は聞いていなかった。

「すいません、他家の事情に首を突っ込んでしまって」

 居たたまれず頭を下げて謝ると、ディートリッヒ先輩は壁に付いていた手を頭にやって首を振る。

「あ、いや!俺の方こそ、重たい話をして悪かった」

「いえ、聞いたのは僕の方ですから」

 何となく、お互い様な空気になって場が和んだ。

 まさか、この人とこんな風に話が出来るとは思わなかったな。フェルメールに対しては相変わらずだけど、やっぱり全校生徒の頂点に立つだけの人だと改めて思う。最初から、僕がこのリーレン騎士養成学校に入っていればもっと交流があったかも。なんていうのは、おこがましいかな。

「それで、話は変わるがお前の妹の事だが」

 おっと。まだ、その話は終わってませんでしたね。

「はい」

 いい加減、腹を括るべきなんだろうなぁと思いながら頷く。同時に、ようやくこの話にも決着がつくと思った、矢先。


「そこで、何をしているんですか?」


 またもや、邪魔が入ってしまった。

 これで何度目なんだよ、と言いたい所だけど。微妙に固くて低い声音で僕と先輩の間に入ってきたのがリーンハルト先輩だったので口をつぐむ。

 どうして、リーンハルト先輩までこんな所に?なんて、首を傾げる僕を余所に、先輩の視線は真っ直ぐとディートリッヒ先輩へと向けられていた。

「……リーン」

 先程聞いたように、その瞳はいつもよりも冷え冷えとしていて、態度すら冷たく見える。今までは、どうしてディートリッヒ先輩はリーンハルト先輩に対して、少し躊躇いがちに話すんだろうと思っていたけどこれで納得がいった。

 ディートリッヒ先輩は、きっとこれ以上弟に嫌われたくないからだ。

 多分、僕だって似た状況になってしまえば同じ事をしてしまうだろう。

 そんな兄君と似た銅貨色の長い髪をさり気なく後ろへと束ごと流しながら、リーンハルト先輩は僕たちの方へと歩み寄ってきた。

「ディー。まさか、貴方まで後輩をナンパしようとしている訳じゃありませんよね?」

「なっ!そ、そんな訳ないだろう!」

 聞いているだけなら、仲睦まじい兄弟だなぁで終わってしまう所だけど。

 リーンハルト先輩の声は、至って真面目そのものだから、純情な兄をからかっている訳じゃなかった。ああ、そういえば確かにこういう場面でフェルメールがいつも苦い顔をしていたなぁと思っていると、近付いてきたリーンハルト先輩にいきなり腕をとられて引っ張られてしまった。

「っ、え?」

 突然の事に抵抗すら出来ず、そのまま先輩の胸へとダイブして身体を預ける。

「この子は、私が唾をつけているので譲りませんよ」

 と、僕が戸惑う間もなく、驚いて固まってしまった僕の額に彼は柔らかな唇を押しつけた。

「っ!」

「リ、リーン!お前、何をっ!」

「何をやっているもなにも、貴方を牽制しているだけの事ですが?」

 シラッと罪悪感もなく言葉を返す先輩に、僕もディートリッヒ先輩も言葉が出ない。

 牽制という意味合いが分からない上に、どうしてキスなんだと問いたい。せめて、そういう事以外にして欲しかった、なんていうのはささやかな願いなのに。あ、だめだ。最近、直ぐに目から水が。

「わ、分かったから。とにかく、これ以上エーヴェリーを困らせるな」

 そういう言い方されると、なんていうか人質の気分です。

「貴方に言われずとも。それより、統括長ともあろう人が、こんな場所でいつまで時間を潰しているおつもりですか?」

 それって、僕もそうだったりしますけど、とは言えない。

 だって、こわ……じゃなくて。何となく、ディートリッヒ先輩を追いやりたいのかな?と思えてならない。僕はね、ほら、いまだに腕を掴まれちゃってますから。

 そう。逃 げ ら れ な い、と。……はあ。

 それでも、立ち去らないディートリッヒ先輩に業を煮やしたのかリーンハルト先輩は、今度は兄のプライドを刺激する事にしたらしい。

「まあ、私は別にフェルメール、に任せてお」

「今回の視察団のサポートは、俺に一任されている。何を話したいのかは知らんが、お前達も用が済めば直ぐ戻ってくるように」

「ええ、分かりました」

 ええっ!?それで良いの?というか、満面の笑顔で返事したリーンハルト先輩の後ろに一瞬、鮮やかな花が咲いたのが見えた気がしたけど気のせいなのかな。コルネリオ様といい、美男子だともれなく後ろに煌びやかな特典がついてるんだろうか。

 ……分からない。これが、乙女ゲームの世界観ってやつ?

 ああ、でも、せめてもう少しぐらいディートリッヒ先輩には引き延ばして欲しかった。さすがは知力より体力派。前世だったら、柔道部に勧誘してた。って、それはもういいか。

 毛嫌いしているフェルメールの名前を出されたせいで、当然ディートリッヒ先輩は手のひらを返したように不機嫌になって、何故か僕まで睨み付けるとあっさりと去っていった。

 なんという事だ、嘆かわしい。

 はあ、とため息を漏らしてしまった僕に、リーンハルト先輩がクスッと笑う。

「誰ですか、そんな嫌そうな顔をしてる子は」

 笑いながら言われたにも関わらず、あの時の仕打ちを思い出して薄ら寒くなってしまい、僕じゃないアピールに首を精一杯振って否定してみる。

「ふふっ。君は見ていて飽きませんね」

 この全てを見透かされている状況が本気で嫌だ。力でも言葉すら、かないっこない。たった一つの行動で、僕を打ち負かせる事が出来るこの人の存在が恐い。

「……逃げないので、手を放して下さい」

「ああ、すいません。君を見ていると、つい」

 あの、ついって何ですか?いや、やっぱり言わないで。そもそも、そんな出来心なんて、今すぐ焼却炉に捨てて下さい。

 離された手首をさすりながら、何だかもう全てに疲れて息を吐いた。

 この人と一緒にいると、自分が情けなくみえてくる。


 ここまで翻弄されるなんて、本当にあり得ない。


 体中の疲労を押し出すように、ゆっくりとため息をはき出しながら、いつもの穏やかで優しげな笑みを浮かべた相手を見上げた。

「それで、ご用件は何ですか?」

「見事に、すさんできていますね」

「そりゃあ、そうでしょう?脅迫した相手に、これ以上猫を被れと?」

 多少は、僕が自を出してしまっても大目に見てもらわないと。

「ああ、いえ。そういうつもりではなく、むしろその逆で」

「察しましたので、皆まで言わなくても結構です」

 何だろうな、この人。初めの印象では、全てにおいて淡泊そうに見えたんだけどな。

 今は、話しているだけで気が滅入る。

「残念です」

「……」

 残念と言いながら、全然残念そうに見えないのにはいい加減、慣れるべきなんだろうか。事なかれ主義の典型的な日本人気質はまだ抜けないし、また何かしらからかわれても嫌なのでここは大人しく沈黙を通すことにした。

「聡い子は好きですよ」

 僕は、御免被ります。返事をしない僕を見て、リーンハルト先輩は特に呆れた様子もなく、兄と同じように距離を詰めると追い詰めた先の壁に右手をついて逃げ道を塞ぐ。

 さすがは双子!なんて感心してる場合じゃない。

「……っふ」

 周りには人の気配はないというのに、誰にも聞こえないように、直接僕の耳朶へと唇を寄せる辺り意地が悪いとしか言い様がない。おかげで、変な声が出ちゃったよ。恥ずかしい。

「こんな風に話していると、傍から見れば私たちは恋人のように見えてしまいますね」

「ご、ご冗談を。だって、僕たち同性ですよ?」

 その手には乗らないぞ、という意味合いを含めて首を振る。すると、クスクスと笑われた。

「まだ言い張りますか、面白い。だったら、君たちが入れ替わっていた事と君が本物のイエリオス・エーヴェリーだという事をばらしてしまいましょうか」

「……っ、お、脅しならききませんよ!」

 ここまできたら、もう自棄だ。ギュッと両手に拳を作り、それぞれに力を入れて抗う姿勢を見せつける。そういう形で入れ替わりの終焉がくるのなら、僕は喜んで受け入れてやる。僕の見知らぬ所で、アルが同じ目に遭う可能性が少しでもあるのなら。

「安心なさい、脅しではありませんよ」

「っ!」

 そんな僕を絡め取るように、顎に手を添えられて上を向かされ目が合った。

 凪いだ瞳は、慈悲深く。けれど、僕を放そうとはしなかった。艶やかな唇が笑みを作り、愉しそうに先輩が言葉を紡ぐ。

「君のような子を手なずけたがっている人間は、この学校にもたくさんいるでしょうからね」

「……言ってる意味が分かりません」

「分かりませんか?君のように従順で大人しそうな子はね、狼達の好物だって事ですよ」

「お、狼?」

 いまだに顎から手を退けてくれない恥ずかしさから、つい反抗的にリーンハルト先輩を睨み付けてしまう。手をどかせる勇気はないから、せめてもの抵抗に。

「分かりやすく言えば、私のように男でも構わない者がいくらでもいるという事ですよ」

「ここの生徒に?」

「ええ」

 ……嘘でしょ。一体、この学校はどうなっている訳?コルネリオ様、もっと教育の徹底をお願いします。

 目をまん丸にして驚く僕を見て、満足したのかリーンハルト先輩は実に愉しそうに笑った。

「そういう、自分は同性に性的な視線は向けられないと勘違いしている君の常識を壊したいと思う人間がいるのを、忘れないようにして下さいね」

「……っ」

 まるで、幼い子供に言い聞かせるように、先輩はわざわざ僕の耳元で囁く。それこそ、甘く蕩けさせるような優しい口調で。

 耳に息がかかって少し心臓が跳ねたけど、それをこらえて唇を噛んだ。

 同性同士が性的な行為をする事自体、僕には考えられない事なのに。リーンハルト先輩によって、それを認識せざるを得なくなっている。


 ――それこそ、リーンハルト先輩の思惑なのかもしれないのに。


 ああ、エル。

 エルに会いたい。

 君に、触れたい。


「……ひ、ぅ」

 こんな時に、物思いに耽っている僕も悪かったとは思うけど。……思うけれども。

「な、何するんですか!」

 いきなり、耳に息を吹きかけてくるとかあり得ないでしょ!

「何だか。少し現実逃避をしているような気がしまして」

 合ってるけどね!

「遠くにいる婚約者を想って何が悪いんですか」

「あれ?逆ギレですか?」

「っ、違いますよ。先輩が、早くご用件をおっしゃって下さらないからです」

 あくまでも、僕一人の責任ではないことを主張してみる。勝算はないけど。

「へぇ」

「……」

 もうやだ。なんだって、こんなに恐いの?恐いけど、せめて目は逸らさないように頑張るけどさ?

「仕方ないですね。今回の所は、時間もあまりない事ですし流して差し上げますよ」

 やったー!きっと、目を逸らさなかった事に勝因があったに違いない。うん。よく頑張った。 

 心からホッとして、安堵の息をついたのも束の間、先輩は再び僕の耳元に唇を寄せると優しげな笑みを深めて囁いた。

「次は、息を吹くだけなんて生易しい事はしませんから」

 え、それって。

「それ以上の覚悟はしておいて下さいね」

 ここで、身震いしたのは仕方ない。背筋が凍り付いて固まった僕に気をよくしたのか、リーンハルト先輩は更に無邪気な笑みを浮かべて僕の頭を優しく撫でた。

 鬼だ、この人は。

 今は、為す術もなく、されるがままに身を委ねるほかない。

 ある程度、先輩は満足したのか最後にポンポンと優しく叩いた後に、僕と再び目を合わせて地獄に突き堕とす言葉を口にした。

「そろそろ、君の出番ですよ。今日か明日中に、レベッカ・ネネをおびき出して取引きの席に着かせなさい」

 仲介役、とはよく言ったものだ。なんでも簡単に言ってくれる。

「……場所の指定は?」

「そうですね、校内だと面倒なのが居ますので。寮内だったら、君も動きやすいでしょうから、そちらにしましょうか」

「……」

「くれぐれも……特に、フェルには気をつけて内密に動いて下さい」

 騎士を目指すこの学校に在籍しながらも頭脳派なリーンハルト先輩に、そこまで言わせるフェルメールって。

 あの人、自分がいかにポテンシャルが高いのか分かってないんじゃないの?

「分かりました」

「では、宜しくお願いします」

 昨日から、ずっとずっと考えている。

 両サイドの人間に、僕が裏切り者だとバレない策はないか、と。

 だけど、何度練ってもどちらかにはバレてしまう方法しか思いつかない。

 そりゃあ、フェルメールに報告するのが一番良いんだろうけど、その後、どう気をつけてもリーンハルト先輩に何かしらの報復を受けるのは目に見えているのだから、その先にあるものを想像するだけでゾッとする。

 かといって、ネネ先生たちの信頼を失いたくない。これは、僕のプライドでもある。


 どちらか一つを選べないのなら、僕はどうするべきなんだろう?


 アル、僕はどうしたらいい?




 ――君なら、どう動く?



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