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《騒ぎ》第十一回

「本当は、私が千鳥屋の女将(おかみ)になりたいぐらいのものさね。あんたがさあ、どうしても賭場にするって云うから…。私としちゃあ、余り面白くないねぇ」

「ははは…、まあそう云うな。儲かりゃ、店の一軒ぐらいは必ず持たしてやるからよぉ」

「本気にしていいんだね?」

 女は媚びた笑いで五郎蔵を見る。

「ああ…。まあ待ってな」

 離れの大部屋では、五郎蔵の代貸しや三下といった主だった子分達が好き勝手に散らばり、酒食、花札、チンチロリンなど、遊興三昧の態をなしていた。

「いつだ?」

「親分の話じゃ、盆明けにでもと云ってらしたぜ」

「そうか…。で、踏み込みの人数は?」

「取りあえずは、三下ども、十名ばかり…」

「親分がそう云ってなさるのか?」

「いや、これは俺の算段だがな…」

 五郎蔵の代貸し、熊次と政太郎が赤ら顔で話している。その時、大部屋の襖が微かにスゥーっと一尺ほど開いた。それに、誰一人として気づかない。

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