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《旅立ち》第八回

 堀川道場は、葛西で知らぬ者がないほど、地の者達に知れ渡っていた。誰彼となしに場所を訊ねると、一も二もなく道案内をしてくれた。それで左馬介は、迷うこともなく門前に立つことが出来た。

「頼もう!!」

 久々に左馬介は大音声を張り上げていた。しかし、門前は静まり返って、人の気配などは微塵もない。左右から中央に堅く閉ざされた表大門の前に佇み、暫し時が流れた。その間も、微風に乗って運ばれる門弟達の稽古の掛け声が、時折り、左馬介の耳へと届く。それでも、門を出入りする気配は未だなかった。左馬介も流石に道中の疲れからか、脚に気だるさを覚え、思わず門の石畳へと腰を下ろした。

 その時である。

「ははは…、小僧!! やってきおったな!」

 笑い声と響く声が混ざり、左馬介の頭上へ降り注いだ。左馬介は驚いて立ち上がり、辺りを右に左に見回すが、人の姿はどこにもなかった。

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