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《師の影》第二十二回

 しかし、それを云えば、斜め向かいは左馬介の小部屋なのだし、左馬介が嫌味を云われてもよさそうなものなのだ。やはり、反りが合わないからなのか…と、左馬介には思えた。

「先生には(わし)から報告する。皆は動揺することなく、いつものように組稽古を致せ!」

 一同から、「ははっ!」と、素直な声が飛んだ。勿論、左馬介も釣られて返事をしていた。だが、幻妙斎へ如何に連絡するのかは、誰も分からない。

「井上! 儂に代わって指導せぃ」

「分かりました!」

 井上孫司郎が了解の返事を吐いたのと同時に、蟹谷はドカドカと道場から出ていった。

「各自、竹刀を取れいっ!」

 俄かに任され、意気込んだ井上の声が少し上擦っている。左馬介だけが片隅へと移動し、いつものように座る。他の門弟達は、側板に設けられた梯子状の刀掛けの竹刀を取っていく。側板に設けられた刀掛けは、正面の神棚から見れば左右の側に一ヶ所ずつ設けられており、片方は竹刀、もう片方には木刀が、(あたか)(すだれ)の如く縦に並んで掛けられていた。

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