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《惜別》第二十六回

「そうでございましたか。合点が参りました。それで権十さんが来られたのですか」

「ええ、まあそのようなところでしょう…」

「未だ陽が高うございますが、夕ともなれば、お見えになりましょう。私ごとで何なのでございますが、若い恋女房を貰ったのが運の尽き、夕には戻っておらぬと叱られましてな…」

「叱られるとは?」

「身が細ることを頑張らねばならぬのでございますよ。ははは…、これは若いお武家様の前で話すことではございませなんだ。…まあ、夕には樋口様が替わって下さるということで…」

「ご主人は、ご帰宅なさるということですね?」

「へえ、さようで…」

 罰が悪いのか、与五郎は後ろ手で首筋を撫でつけた。左馬介は、それ以上は訊かず、口を噤んだ。

「暫く待たせて貰いましょう。奥へ通って宜しいでしょうか?」

「へえ、それはもう…」

「では、遠慮のう…」

 左馬介が暖簾を潜って奥の土間へ進むと、後方から与五郎が付いてきた。左馬介は、振り向くと、「何か…?」と、訊ねた。

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