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《師の影》第四回

「止まれいっ!!」

 叱責するという罵声ではないが、衝撃的な響き声が左馬介の両耳に(つんざ)いた。左馬介は、思わずビクリ! と止まり、その場へ佇んだ。

(まなこ)が定まっておらぬのだ!」

「…、如何にせよと?」

 左馬介には、処し方が分からない。

()り足での歩み…それはいい。但し、両肩は余り下げ過ぎぬようにな…。それから、今、云った眼の定め方だが、正面やや下方に定めてみよ。では、もう一度、逆方向へ歩みを戻して…」

 そう云われれば、従うのみである。

「そうだ。…そうそう」

 初稽古だというのに、やけに横柄な物言いではないか…と、左馬介は(いささ)か不満に思いつつも歩を進めた。

「心が乱れておるぞっ!! 無心じゃ!」

 人の心の内までもが見透かせるのか? と、蟹谷の態度が益々、腹立たしい左馬介である。

「よしっ! 今日は、これ迄」

 これ迄? ただ、堤刀(さげとう)の姿勢から歩んだだけではないか…。左馬介は不本意この上なかった。

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