表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
592/612

《惜別》第十六回

「別に難しくはないと思いますが…」

 遠慮気味に鴨下が云う。

「なに? 鴨葱に、いい算段があると申すか?」

「はい…。算段と云えるかどうかは別としましても、足取りを追えば樋口さんには必ず会えます」

「ははは…。そんなことだろうと思おた。それは、必ず会えるという手立てでは、なかろうが」

「はあ、それはまあ…。しかし、権十にでも頼めば、相応の知らせは得られるのでは…」

「おお! それはいいぞ。権十なあ…。(きゃつ)ならば小走りが利くから、探りも容易かろうしなあ。…鴨葱も最近は味がよくなったなあ」

 そう云って長谷川は大笑いした。

「ますます美味くなりますよ」

 鴨下は鷹揚に返し、逆手に出た。思わず二人は顔を見合わせて笑い合う。左馬介だけが二人の話に取り残された形である。

「権十に私から頼んでおきます」

 左馬介が漸く二人に割って入り、そう告げた。二人は真顔に戻り、左馬介の顔を見た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ