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《惜別》第十二回

「なんだ…そうでしたか。では、場内におられたことは、おられたので

すね?」

「ええ…まあ」

 幻妙斎に会った後、小部屋で眠っていたとも云えず、左馬介は曖昧に暈した。

「もうすぐ、焼けますから…」

「二人で賄いをやっていた頃には、考えもつかなかったことです」

「そうでした。あの頃は、今、客人身分の方々も大勢おられましたからねえ…」

 手を休めず、鴨下は箸で器用に金網の上に置かれた握り飯を、ひっくり返す。それを繰り返しつつ、時折り左馬介の顔を見遣って話をする。左馬介も手伝おうと、水屋から大皿を取り出して置いた。どこに何が入っているかは、賄い番をやっていたから先刻、承知なのだ。

「どうも、すいません。御造作をかけ…」

「ははは…。一年前は、共にやっておったではありませんか」

 左馬介は小笑いして返した。

「それより、この正月で四年目の長谷川さんですが、客人身分には、いつなられるんでしょう。長谷川さんが抜ければ、私と鴨下さんの二人ですよ」

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