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《師の影》第二回

 堀川道場は、堀川一刀流の創始者、堀川幻妙斎の教場である。堀川一刀流は、一刀流の開祖、伊藤一刀斎の奥義に一工夫を加えた異色流派で、此処、葛西以外には全国各地に知られていない地方流派であった。因みに、一刀流は系統的に、一刀斎の弟子である小野忠明(神子上典膳[みこがみ・てんぜん])の小野派一刀流、同じく弟子の伊藤忠也の伊藤派一刀流、同じく弟子の藤田俊直の唯心一刀流が派生した。更に、小野派一刀流の系統から千葉周作が興した北辰一刀流などが、伊藤派一刀流の系統から溝口派一刀流、甲源一刀流などが、唯心一刀流の系統から正木一刀流などの各派が派生している。だが、この堀川一刀流は、一刀流の創始者、伊藤一刀斎の弟子にはならず、伊藤道場へ通い稽古の後に山へ籠った若き頃の堀川妙兼(後の幻妙斎)が精進・潔斎の末に独自に編み出した特異な一刀流の分派であった。

 さて、この堀川一刀流の(あるじ)である幻妙斎は、いったい何時、道場へ姿を現し、また平静はどうしているのか…。これが左馬介の胸中に大疑問として沸々と(たぎ)るのであった。

 そしていよいよ、左馬介の初稽古が、師範代の蟹谷によって始まろうとしていた。

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