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《残月剣④》第十六回

「仰せの通りです。左馬介さんに堀川の行く末をお願いするしかないないのですから、止めだてはしません…」

 鴨下は神妙に云い切った。長谷川も、その言葉に対しては敢えて反論して加えなかった。鴨下が云ったことは全くその通りだからだ。長谷川としては、思っていても云えないことを鴨下が云ってくれたことで、返って助かったと思っている。師範代という立場上、また、先輩として余りの不甲斐なさに、鴨下が云ったことを云えなかったということもあった。

 兎も角、二人が了解してくれたので、左馬介は懐紙に(したた)めた稽古に取り掛かれることとなった。二人が了解しようが、しまいが、自分の好き勝手にやれそうなものなのだが、そこはそれ、堀川の門弟として寝食を共にしている以上、そうはいかないのだ。見えない(しがらみ)は厳然と存在した。

 条件に叶った木立ちは、やはり妙義山中で探さねばならないだろう…と、左馬介は踏んだ。ここ葛西にも木立ちはあるが、鎮守の森ぐらいしか人の気配がない場所は他にはない。それとても、いつ村人が参詣するかも分からず皆無とは云えないのである。そんなことで、妙義山中で手頃な場所を探そう…と左馬介は思ったのである。

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