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《残月剣④》第一回

 物事は弾みでころがってゆく。ひと言、声を掛けてから出れば、鴨下は心配せずとも済んだのだ。長谷川は出てこないところを見ると、鴨下ほど気に留めていないのだろうと思えたが、(いずれ)にしろ、軽率だったとは否めない。稽古を勝手に頼んだのだから、それはないだろう…と云われても仕方がないのだ。自分が鴨下ならば、激昂までに至らずとも、恐らく怒っていただろう…と、左馬介は深く反省した。鴨下は人がよいから、或る意味で左馬介は助かった。ということは、冷静な長谷川の方が怒っているかも知れん…と、返って気掛かりになる左馬介だった。無論、そのようなことを鴨下には云えない。

「それで、昼からの稽古は如何されたのですか?」

「ああ…そのことですか。それは、いつものように、師範代に対して私が(かた)を示しただけのことです。ただ、その後は左馬介さんがおられないので終りましたが…」

「長谷川さんは、私のことを何か?」

「な~に、心配なされるようなことはありませんよ。別に気にされておらぬと存じます」

「怒っては、おられぬと?」

「ええ…。何か所用が出来たのだろう…と、仰せでしたから…」

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