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《残月剣③》第九回

 長谷川も左馬介も、鴨下の剣以外の技を見せられたような気分になっていた。

「おお…すまんな、鴨葱」

 云い方は、相も変わらず少し小馬鹿にしたところがある長谷川だったが、顔では鴨下に感謝しているように左馬介には見えた。

 兎も角、前後、横、斜めと、受けきれたことは、左馬介の自信となった。ただ、竹刀と殺気が漂う本身で打ち込まれるのとでは違うことを念頭に入れれば大怪我の元だ…とも左馬介は考えていた。必死に…或いは捨て身で襲う相手と、長谷川を相手にしたのとでは、明らかに違うであろう。そういう意味で、多くの剣豪は全国行脚に出るのだ…と、左馬介は思った。それにつけ、今日の握り飯は妙に美味い…と感じつつ、左馬介は巡っていた。長谷川と鴨下は、何やら賑やかに。世間話をしながら握り飯を頬張っていた。

「それで、樋口さんが皆さんに、そう云われたそうです」

「そうか…。樋口さん以外の客人は、長い間、出会っていないからなあ」

 聞き逃したので話の意味が皆目、解せず、何事だろうか? と、左馬介は首を(かし)げた。

「何のことでしょう?」

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