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《残月剣②》第三十一回

「横、斜め、後方…どこからでもいいのか?」

「はい!」

 鴨下が洗い物を済ませて戻ってきた。

「なんです? 偉く賑やかですが…」

「いやあ…大したこっちゃないんですよ」

 左馬介は少し砕けた物云いをして笑った。鴨下にしてみれば、二人の話を聞いていないのだから内容が摑めず(いぶか)しい。

「後から俺が云ってやる、鴨葱。…よし、左馬介、その話は了解した。いつでも声を掛けてくれい」

 そう放つと、長谷川は小部屋の方へ歩き去った。鴨下も話の内容を知りたいから、長谷川の後方に小判鮫の如く付き従って去った。この男、鴨葱と云われても意に介さない気丈さはある。

 次の朝、稽古が始まろうとしていた。前日迄は長谷川と鴨下のみで、必死に曳いていたのだから当然、いなかった。だが今日は、左馬介も稽古場に現れた。

「おう、左馬介か…。で、どのようにすればいいのかのう? 如何ようにもさせて貰うぞ」

「師範代の長谷川さんに、どうこう、とは云えませんが、出来ましたら、この前、お話ししたような塩梅(あんばい)で…」

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