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《残月剣②》第十八回

とすれば、あとは腕力(かいなぢから)を鍛えるだけである。力がついた結果、真剣が軽く扱え(かた)捌きが速くなれば、自ずと無駄な所作や力は削がれ、息の乱れも無くなる…という寸法だ。この発想に至れば今日はこれ迄か…と、左馬介は刀身を(さや)へと納めた。

 次の日から左馬介の(かいな)鍛えの日々が始まった。手頃な場所と云えば無論、道場裏の川縁(べり)にある草叢(むら)である。両腕(かいな)に対して負荷を加え続けることにより腕を鍛える方法は様々で、普通程度の稽古ならば竹刀や木刀の素振りで事は足りる。これは既に充分過ぎるぐらい早朝の隠れ稽古でやってきた左馬介だ。それ以外の方法として考えついたのが三貫ばかりの石を縄で括り、手指の力で曳き摺りながら歩いて前進するというものである。詳述すれば、同じ程度の重さの石、二ヶを準備し、左右の腕、各々に縄を持ちながら同時に前進するという方法だ。加えて、腕立て屈伸も日々、行う。これは身体を伏せて可能な限り腕の屈伸を繰り返すというもので、次の練習の機会には徐々に回数を増やすという方法である。

 川堤を登り、川の瀬へとふたたび下る。三貫ばかりの石は浅瀬にゴツゴツと結構あるから探すほどのことはない。

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