表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
489/612

《残月剣②》第十二回

確かに、ここ最近の物価の高騰は眼を見張るものがあった>鴨下には任せておけないと思えたのか、応対する鴨下の横へ長谷川が出張ってきた。

「ほおー、一貫文ですかい…。思ったより高うございますなあ、又さんよ」

 下手から舐め回すような鋭い視線で、長谷川が又五郎に釘を刺す。

「嫌ですよ、長谷川の旦那。貧乏人を(いじ)めなすっちゃいけませんや…」

「いや、悪い悪い、又五郎。冗談、冗談だ」

 態度を急変して、長谷川が大笑いしながらそう放った。その言葉に少し安心したのか、又五郎は幾分、語気を緩めて、

「でしょうな。いや、正直なところ、掛け値なしの催促なんでございますよ。そう大した儲けもないようなこってして…」

 と、首筋を掻きながら真顔で云った。最初から払うつもりだったのか、長谷川は胸元へ手を忍ばせる巾着を取り出した。そして、その中から一分金を一枚、また取り出すと又五郎の眼前へ差し出した。

「へえ、そりゃもう…。有難う存じます…」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ