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《残月剣②》第十回

急に稽古場から消えた左馬介が、そんなことを考えつつ村雨丸を手に稽古していようとは、鴨下や長谷川が知る由もない。

 夕餉の膳を囲んだ時、何気なくその話題を長谷川が口にした。

「突如、いなくなったから、何事かと思ったぞ、左馬介」

「ああ…そうでしたか。どうも、すみません。ご心配をお掛けしたようです」

「いや、まあな。そう大したことじゃないんだが…。いつもは無いことだから気になった迄よ、なあ鴨葱!」

 鴨下と呼ばず鴨葱と長谷川が呼んだ時は、眼に見えない威圧感が長谷川から鴨下へ飛ぶ瞬間なのである。鴨下もそれは分かっているから、長谷川に追従して決して逆らわない。勿論、鴨下が長谷川に異論を挟むことは滅多となかったのだが…。

「このようなことは云う迄もないことなのですが、竹刀での(かた)は実際に(やいば)を交えた時に、そぐわないように思えたものですから…」

「なるほど! それもそうじゃ。だから本身で稽古をしておったと?」

「そうです…」

「お前が話す筋は合点がいくぞ」

 長谷川の言葉に、鴨下も頷いた。

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