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《入門》第二十回

 蟹谷は、一馬を左馬介に紹介した。

「宜しく御願い致しまする」

 左馬介は一馬を穏やかな視線で見ながら、軽く頭を下げた。一馬もそれを見て返礼する。

「さあ! 話はこれまでじゃ、解散!!」

 蟹谷の声が掛かり、門弟達は喧噪を起こして各自、立ち上がると、大広間を後にしていった。

 左馬介が後になって知ったことだが、勿論それは、道場での生活を一日、終えたときであったのだが、堀川道場には綿密に組まれた日程があり、幻妙斎を除く門弟達全てが、その日程に従って、日々、規則正しい生活を送っているという事実であった。

 蟹谷に命じられた一馬は、歳が余り違わぬこともあってか、左馬介にとっては割合と話し易く、その後、細部に至るまで面倒を見て

くれる朋友となった。

「これだけの人数なのですから、米も馬鹿にならぬでしょう?」

「そうですねえ…。一日に一升以上は炊きますが、全くもって足りません。ですから、粥になる場合が多いのです…」

 笑顔で魚を焼く一馬が、それを手助けする左馬介に、そう返した。米の調達は? と、喉に出しかけた言葉を押し止めた左馬介であったが、どうも、その辺りが気になった。

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