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《残月剣①》第三十回

「鴨下さん! 起きて下さいよ。私は部屋へ戻りますから…」

 つい先程までは、落ち着きなく右往左往していた鴨下がウトウトしているのだから、笑えて仕方がない左馬介であった。鴨下の隣で欠伸をしていた長谷川も、左馬介の声に(うなが)され立ち上がった。鴨下も寝惚け(まなこ)で続いた。

 次の朝は野分が襲来したとは思えない秋の青空が広がった。加えて、昨夜の暴風雨が嘘のような静けさである。左馬介は道場の被害状況を鴨下と手分けして見廻ることにした。持ち場は表門の一帯と道場を囲む外側の土塀群、それに客人棟である。幻妙斎が立ち、声を掛けられたことのある土塀の瓦が数枚、飛ばされ割れ落ちているのが眼に入る。大門は幸いにも破損箇所はないようだ。ぐるりと巡って被害箇所を懐紙に記す。客人棟へ迂回すると、樋口が佇んで棟を見上げていた。左馬介は思わず声を掛けた。

「樋口さんじゃないですか!」

「…おお、左馬介か。昨夜は凄かったなあ」

「はい。どうです? どこか傷んでますか?」

「そうだな…、見たところ、木戸の扉が割れたぐらいだ。屋根の瓦は大丈夫そうだ。そちらは、どうだ?」

「ええ、我々の方も、そう大した被害はないようです」

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