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《残月剣①》第二十五回

思いの(ほか)、残暑が長く続かなかったことは、何らかの異変が起こる予兆ではないかと長谷川が二人に冗談含みで云った。

「今年は野分けが多いかも知れないですね」

「そうです…。飢饉にはならず、よかったですが…。稲刈りが急がれます」

 鴨下が云い、左馬介が続いた。

「まあな…。涼しいのは我々には有難いが、魚政の鰻が美味くなくなるからなあ…」

「もう、土用も過ぎたんですから、いいじゃありませんか」

 鴨下が長谷川を慰める。長谷川が無類の鰻好きだということを、よく知っている。

「おい、鴨下。そうは云うがな。やはり暑い時の鰻は美味いぞ」

「冬場はどうなんです?」

 左馬介が割って入る。

「冬場の鰻か…。それはそれで、また美味いな。身体に力が(みなぎ)ってくる」

「いつ食べても力は漲るじゃないですか…」

 左馬介が二の矢を放つ。

「ああ…それはまあ、そうだがな…」

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