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《霞飛び②》第十七回

「それが誠ならば、先生は道場を閉ざされるというよりは、左馬介、お前に託されたのではないか?」

「ははは…、まさか左様なことは…」

「いや、分からんぞ。…お前に新しい堀川一刀流の剣筋をと云われるなど、もし閉ざすお考えなら、そのような必要はあるまいが…」

「…まあ、考えようによっては…」

 そうは思わなかったが、一応は師範代の顔を立て、左馬介は長谷川の言に頷いた。

「左様であろうが。無論、俺も推測だがな…」

 長谷川はそう云うと、はっははは…と、大声で笑い飛ばした。二人以外、人の気配がない道場の静寂(しじま)に、その声は響き渡った。

「それで、新しい太刀筋の構想はどうなのだ?」

「いえ、それは…。昨日の今日ですから…」

 左馬介は、さっぱり浮かばないのです…とは云えず、暈しつつ苦笑した。それもその筈で、幻妙斎が左馬介に頼んだのは、そんな軽い話ではないのだ。それをついうっかりとはいえ、長谷川に漏らしたのである。そんな自分が許せない苦笑であった。

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