表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
424/612

《霞飛び②》第十二回

だから、立て続けの鰻となったのだろう。当然、懐具合が充分だから出来たのであって、多人数の賄いがあった昔ならば、そのようなことは絵空事であった。

「有難うございます。では、遠慮のう…。後から参りますので…」

 そう云うと、左馬介は長谷川と別れて自分の小部屋へと向かった。入れ違いに玄関へ鴨下が現れた。

「左馬介さんの声がしたようですが…」

「そうよ、今し方な…。しかし、大降りになる前に戻ってよかったぞ。あれを見い…」

 長谷川が指さす外は、土砂降りの雨簾(すだれ)であった。鴨下は、長谷川が指し示す方向をじっと見た。

「ほんとだ…。こんな凄い雨は、久しく見たことがありません。どこぞ、雨漏りせねば、ようございますが…」

「ははは…。相変わらず、お前は歳の割りに脆弱だなあ。そのような小賢(ざか)しいことを考えず、捨ておけい。だから、剣も上達せんのだ…」

 鴨下は、つまらないことで長谷川に叱責され、手抜かった…と思えたのか、顔を(しか)めた。雨は益々、その雨勢を強めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ