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《霞飛び②》第六回

左馬介が岩棚の幻妙斎を見上げると、師は何も云わなかったかのように変わらず、凍りついて座していた。左馬介は何も云うことなく、また登っては飛び降りた。それはもう、飛び降りるというよりは舞い降りると表現した方が正しいような身の(こな)しであった。幻妙斎にはその左馬介の動きが、見ずとも分かっていたのである。

「左馬介。そなたには数々の修練を積ませたが、これも(ひとえ)に堀川の一刀流を伝えたいが為じゃ。だがのう、もうその大凡(おおよそ)は伝わったようじゃ。霞飛びの奥儀を会得したようじゃて、そなたに皆伝を授けずばなるまい。本来、奥儀の霞飛びは皆伝允許の後なのじゃが、(いず)れにしろ、既にそなたは一人前である。(わし)も歳じゃて、そう長くはあるまい。それ迄に、そなたには皆伝を持つ者として、いつか、そなたに云っておった新たな剣技を編み出して貰いたいと思っておるのよ。おお…つい、長話をしてしもうたな。そういうことじゃて、今日を限りに、もうここへは来ずともよい。後は独りとなりて太刀筋を極めよ。新たな剣技が出来上がる迄、暫しの別れじゃ」

 今迄には無いほど、長々と語った幻妙斎が口を閉ざした。そして、(おもむろ)に円座よりスクッ! と、立ち上がると、一瞬にして宙へ舞い、その白髪の姿を消した。

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