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《霞飛び①》第二十八回

「ほう! それは豪勢な話ですねえ」

「はい。昨日、客人身分の方達から四朱がはいったそうで、長谷川さんがそうしろと…」

「すると、私の分も?」

「ええ、それは勿論のことです」

「それは…有難いです!」

 左馬介は内心で自分自身を卑しく思ったが、空きっ腹が勝手にそう云わせていた。

「なあに、肝吸い付きで一人頭(ひとりあたま)、百二十文、締めて三百と六十だ。知れてる。たまにゃパッとやらんと、貯まる一方だしなあ」

 昼を少し過ぎた頃、鰻政の小僧二人が持ってきた鰻重を口へと運びながら、三人が語らう。

「でも、いざって時用に残しとかなくって、いいんですか?」

 鴨下は歳を重ねているだけあって、金の苦労が身に沁みているようである。

「いや、井上さんからの預り金が、ちゃんと残してある。今迄と違って、俺達三人だからなあ、切り盛りは…」

 長谷川は、今迄の多かった門人の賄いが三人に減ったから、出費も減ったのだと続けた。

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