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《霞飛び①》第十三回

「はあ、…それはまあ、そのようですが…」

「今夜、そっと二人で離れへ行って確かめてみましょう。そうすれば、分かることです」

「樋口さんが先生の庵におられるとでも?」

「まさか、幽霊ではないでしょう。樋口さんは影番ですからね。先生の命で…、ということも有ります」

「先生ならば、如何されます?」

「有りのまま云えば宜しいではありませんか。灯りが灯っていたから見回ったと…」

「なるほど…。では、そのように」

 話は案外、すんなりと纏まった。その夜、左馬介と鴨下は戌の下刻に示し合わせ、離れかの(いおり)を見回ることにした。無論、見回るといっても、灯った形跡があるかどうか…といった程度である。

 辺りが暗闇に覆われた頃、二人は摺り足、差し足、忍び足…と、道場の裏口を抜け、離れの庵へと向かった。庵の手前には上手くしたもので、頃合いの生け垣がある。その垣から恐る恐る庵を覗くと、やはり鴨下が云ったように、障子戸に映る行燈(あんどん)の灯りが見て取れた。

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