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《霞飛び①》第七回

 幻妙斎は、やはり岩棚で静穏に座しており、辺りの所々に灯る燭台の灯りも、いつもと変わりなく洞窟内を照らしていた。一見、何の出来事もなく稽古が推移し、そして終わるように左馬介には思えた。

「来たようじゃの…。では、いつぞやと同じ位置から飛び降りるがよかろう。しかし、今度(こたび)は、(わし)がその先駆けを致そうぞ」

 云い終えた直後、幻妙斎の姿は既に岩棚にはなく、左馬介が以前、飛び降り稽古をしていた岸壁へと移っていた。瞬時の出来事ながら、どうやら師は空中でトンボを一回、きって舞い降りたように左馬介には見えた。

「五尺ばかりは飛び降りるというより、儂には歩を進める程度のものじゃが…」

 そう云うや、幻妙斎は、ひらりと飛び降りた。いや、そういうよりか、軽く片足を前へ踏み出した風に左馬介には見えた。

「どうじゃ、よく見ておったかの? 何も力などは無用なのじゃ。ははは…、少し戯言(ざれごと)が過ぎたようじゃな…」

 その言葉を口にした直後、幻妙斎はふたたび姿を消した。今度は瞬時に軽く舞い上がったように左馬介は感じた。

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