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《霞飛び①》第二回

その頃だと、稽古着の洗濯も多人数だったから、とてもこのような準備をする余裕などは出来なかったのである。

 食膳もいつものように用意されていた。風呂に浸かって疲れを取り、食膳へ何もせずに着けることの、なんと有難いことか…。左馬介は箸を口へと運びながら、眼に見えぬものに感謝していた。

 長谷川と鴨下が堂所へ現れたのは、左馬介がほぼ食い終えた頃であった。左馬介も鴨下がふたたび顔を見せるのは間違いないと思っていたから、そう意外だとも受け取っていない。要は、いつ現れるのか? という頃合いだけが分からなかったのである。それが今か…という程度であった。長谷川と鴨下は、膳の前へ胡坐(あぐら)をかいて座り込んだ。

「鴨葱から戻ったとは聞いていたが、恐らく疲れていよう・・と、思ったんでな、遅らせた」

 長谷川は左馬介が訊いてもいないことを、弁解がましく云った。実のところ、今日の結果を一刻も早く訊きたい二人なのだ。他のことなど、今はどうでもよい…という心急く想いだった。

「で、どうだったのだ?」と、切り出したのは長谷川である。三人は、そのひと言で全てが分かる。

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