表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
377/612

《教示③》第二十五回

 幻妙斎が籠る奥の岩棚までの距離は、さ程もないが、そういった意を注がねばならない最後の試練が、ふたたび左馬介を待ち構えていた。

 洞窟の入口は割合、人が通れる程度には開いていて、中に入るのには何の不都合もない。ところが、入って暫く進んだ所で急に狭くなる通路部分があった。勿論、左馬介は通り慣れているから、そのことは知っていた。そして、いよいよその部分へと左馬介は差し掛かった。辺りの明るさは、いつものように幻妙斎が灯したと思われる燭台の灯りが揺らめいて所々にあるのみである。それでも、相応の明るさであり、決して闇の中を進んでいる感触はない。左馬介には通り慣れた体感があるから、そう苦になるというものでもない。ただ、いつもより数倍の緊張感には(さいな)まれていた。狭い通路へ差し掛かった左馬介は、まず慎重に手に持つ木箱を一端、置く位置を探した。上手くしもので、(おもむろ)に眺めた目線の先の岩盤上に丁度、木箱を置ける出っ張りがあった。左馬介は躊躇(ちゅうちょ)することなく木箱をその上へと一端、置いた。そして、かろうじて人、一人が通り抜けられる洞窟の狭窄(きょうさく)部分を通り抜けた。続けて、一端、置いた木箱をゆっくりと手前へ引き寄せる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ