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《教示③》第十九回

 進むと、微かな飛沫(しぶき)を受けるのみで、無事、左馬介は滝内へと侵入することに成功した。背後には瀑水が激しく砕け落ちてはいるが、滝内は或る種、氷結した空間で、動では決してなく、静であった。

 洞穴(ほらあな)は滝内へ入った時、左馬介の目と鼻の先にあった。その大きさは、洞穴と云うより何かに(えぐ)られたような凄まじい大穴で、暗くはなさそうだが、それでもどこか不気味さが漂う外観であった。

 左馬介は、岩伝いに滝壺から上がると、その洞穴へと入っていった。暫く歩むと、幻妙斎が云っていた燭台の灯りが仄かに揺れているのが見えた。なおも近づき、左馬介は遂に燭台を両手にした。そして、ここからが正念場だ、と自らに云い聞かせるのだった。

 事実、成否は、この段階から左馬介が如何に動くか、に係っていた。緻密に動かねばならない。…それも、失敗は許されないのだ…と、そう巡れば、足が前へ進まず、手も震えて動かない左馬介だった。これでは、いかん! と、左馬介は一端、燭台を岩盤へと置き、座して目を閉じた。心を落ち着かせねば、事は成就しないような気がした。

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