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《教示③》第十五回

「いえ…、別に。いや、あの…、明日、もし戌の刻になっても戻らぬ時は、何かあったとお思い下さい。その後のことは判断を委ねます」

 いつの間にか、隠されていた心の一面が、左馬介の口に、そう語らせていた。

「あっ、はい。分かりました。長谷川さんにも、そう伝えます」

「宜しくお願い致します」

 頷いて首を縦に振ると、鴨下は云った。

 左馬介は風呂場へと向かった。かなり疲れていたのか、湯が身体に馴染んで心地よかった。

 次の朝、いつもの出立の時と同じで、早暁の頃合い時分に左馬介は目覚めた。別に、今日の滝でのことについては何も考えてはいない。なるようにしかならない…と開き直れば、さして恐れるものなどない。この気分で床へ入ったのが良かったのか…と、左馬介には思えた。これも、いつもと同じで、握り飯と沢庵を竹の皮で包み、暗いうちに道場を出た。当然、鴨下や長谷川は未だ熟睡している筈である。全てが今迄と変わらない。無論、これは左馬介の捉えた感覚であり、鴨下や長谷川は、左馬介が道場を出る頃に起きたことがあったかも知れない。

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