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《教示③》第七回

 これが高々、十文か…と、長谷川は悪い気さえした。大きさは大、小と手頃なようである。

「丁度、頃合いのようだ…」

「はい。上手い具合に、所々、虫食い穴がございまして、もう捨てようか…などと思っておりましたもので…」

 捨てようとは…。(あるじ)の言葉に長谷川は、また驚かされた。

 入手出来たとなれば、鴨下を一刻も早く見つけ出し、その旨を云わないと鴨下が二度手間となる。

「連れがおるので一度出て、後でまた寄ろうと思うが・・」

 そう云うと、十文だけを先に渡し、長谷川は鴨下を探すために一端、外へと出た。

 その頃、鴨下は長谷川と同じ物集(もずめ)街道沿いを歩いていた。とはいえ、札の辻を挟んで、長谷川とは真逆の千鳥屋の前である。街道沿いには結構、旅人の往来があり、長谷川は鴨下の姿を見つけるのに窮していた。鴨下は、長谷川が自分を探しているとは知らないし、ましてや、入り用の木箱が長谷川によって既に用立てられたことなど知る由もなかった。この時、鴨下は千鳥屋へ入ろうか、入るまいか…と思案に暮れていた。

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