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《教示③》第四回

 稽古の後、堂所で朝餉の膳についた場で、左馬介は二人に自身の想い描いた算段と、その手筈を語り出した。鴨下には多少、話してあるから態度に変わりはないが、長谷川は初耳なので、怪訝な眼差しで左馬介の話に対して聞き耳を立てる。

「二人に、まず頭を下げます。と云いますのも、実は夕刻までに一尺から尺二寸ばかりの木箱を二個、調達して戴きたいのです」

 先に二人に対し軽く頭を下げ、左馬介はそう云って頼み込んだ。

「舟は、いらんのか?」

「ええ、結構です。山中へ運ぶのは難儀ですし、滝壺の水嵩(かさ)からすれば、まさか溺れることもないでしょうし…」

 長谷川の疑問を受け、左馬介は直ぐ返した。

「木箱を二個とは…。なるほど! 木箱の中に木箱を入れ、更にその木箱の中へ燭台を…、という発想ですか? 瀑水を防ぐために」

「ええ、ご明察です。正に、その通り」

「ほお、そういうことか…。なるほどのう」

 長谷川も、漸く左馬介の算段が分かってきたようであった。

「分かりました。さっそく長谷川さんと手分けして調達しましょう」

「有難う存じます」

「礼などよいわ、水くさい奴だ」

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