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《教示③》第三回

この二点は、どうしても今日中に、きっちりしておかねばならないのだ。朝陽が昇る前の妙義山の山稜を見ながら、左馬介はそう巡っていた。どういう訳か、昨日の不安はすっかり消えていた。

「あっ! おはようございます。早いですね」

 鴨下が眠そうに両腕を広げながら現れた。左馬介の方は、すっかり眠気は失せている。

「手筈は上手くいきそうです。それにはお二人に手伝って貰わねばなりませんが…。後から、長谷川さんもいらっしゃるときに、お話をさせて戴きます…」

 左馬介は鴨下に必要最小限のことを伝えた。

「分かりました。…しかし、算抜け出せるいい段が浮かんでよかったですね」

「ええ、お蔭様で何とか…」

 朝稽古は短く終った。これも左馬介が疲れているだろう…と、気遣ってのことである。だから、左馬介が妙義山へ行っている日の稽古は当然、長めである。こうしたことは長谷川から云い出したことではなく鴨下でも無論、ない。二人の暗黙の了解ごとのようなものだった。

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