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《教示③》第二回

勿論、燭台を包む布は持って行かねばならないから、頭に乗せて首へ手拭いで括る。手には木箱を持つ。そして左馬介は滝壺の前で着物を脱いで滝壺を進み、洞穴(ほらあな)へと突入する。洞穴では燭台を布で覆い、それを木箱へ入れる。更にもう一回り大きい木箱へその木箱を入れ、少し蓋を開けておく。それが滝壺を抜ける暫くの間、火が必要とする空気を通す隙間となる。そして木箱を水に浮かべつつ手に持ち、滝壺を抜ける。瀑水が落ちる真下を出来るだけ迂回し、滝壺の外周沿いに進んで、可能な限り受ける衝撃を緩和して滝壺を抜ける…と、左馬介は想い描いた。瞼を閉じ、寝床で考えているからか、この閃きは実現出来そうな気がした。やがてウトウトと微睡(まどろ)み、早暁を迎えた。床を抜け出て顔を洗いに井戸へ行く。幸い、鴨下は未だ起きてはいなかった。この半月ほどは疲れで余力が落ち、早暁の隠れ稽古はしていない左馬介である。幻妙斎の教示に対しては、万が一にも手を抜けないから、余力を温存する為にはそれも仕方がない…と、左馬介は考えていた。

 今日、一日あるとはいえ、明朝までには適当な木箱をニケ、調達せねばならない。これには二人の手も借りるとして、残るは入念な手筈と算段を固めることであった。

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